お世話になっております。
SHINANOYA NET SHOP
管理人のやぎゅーです。
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本日のナイトブログは
【セミナー報告&
新着商品のご紹介♪】
でお届けします♪
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まずは
【セミナー報告】
からお届け♪
先日行われたのは
アルマニャックのネゴシアン、
「ダローズ」の当主 マーク・ダローズ氏
(忙しい合間を縫って当店にも来て頂きました♪)
の来日記念テイスティングセミナー。
ちょっと脱線・・・
フランス系のお酒で耳にする
”ネゴシアン(=メゾン)”ですが、
各生産者から買い入れた原酒を
自らのブランドでリリースする、
”ボトラー”に近い立場のメーカーとなります。
(ちなみにそれの対極がドメーヌ。
こちらは生産者の立ち位置で
自社畑で原料の栽培から携わり、
原酒の段階で売却や
そのまま自らリリースするところもあります。)
同社はネゴシアン業の傍ら、
自社でも蒸留器を保有して原酒造りを行うなど
より生産者に近い立場にあります。
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今回はまずは
アルマニャック概論。
アルマニャックのアペラシオン(原産地呼称統制)では
3つの生産地域が区分されていますが
本場として挙げられるのは
約8割を生産するBAS-ARMAGNACが中心となり、
砂質土壌からバコ、フォルブランシュ種が産出されます。
一方のARMAGNAC-TENAREZEでは石灰質土壌となり
全体的には穏やかな酒質の原酒が生み出されています。
(HAUT-ARMAGNACについては意外ですが
生産されるぶどうはほとんどが仏国内の
スタンダードワインとなる"VdT規格"の
スティルワインになってしまうそうです。)
それぞれの地域ではアルマニャック固有品種のバコ、
さらに希少品種のフォルブランシュの他、
ボルドーワインでも用いられるユニ・ブラン
仏南西地方のワインで多用されるコロンバール、
といった4品種が採用されています。
ここまででも品種・産地の組み合わせだけで
アルマニャックの多様性を感じさせます♪
これはマーク氏も原酒の風味の重要なファクターだと力説。
みずから蒸留を行う生産者としてのこだわりを感じさせます。
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製法の項では同社を例に専門的かつ興味深い世界をレクチャー。
大まかですが、プロセスに沿ってご説明。
・原酒の素となるスティルワインを醸造。
→このとき完成したワインはすぐには蒸留されず、
1000L単位の巨大なタンクで1-2週間も寝かされるそうです。
ここには「休ませてなじませてあげたい」というマーク氏の
お酒への愛情を感じさせられました。
・蒸留は”半々連続式”?!
→こちらは画像を使っての説明。
グレーンウィスキーでは慣れている連続式ですが、
巨大なプラント(蒸留塔)でずっと蒸留を継続するイメージ。
しかし、コニャックではちょっと異なります。
シンプルに表現すれば
「連続式蒸留器で1回しか蒸留しない」
ということ。
ちょっと見え難い画像で恐縮ですが、
PC画面内の左塔上に蒸留1回分の
スティルワインで満たされたタンクが配置。
↓
そこからまずは左塔内部に進みます。
そして、左塔が満たされると
いよいよ右塔の蒸留器本体の上部に
スティルワインが流れ込みます。
↓
右塔ではスティルワインは重力で
下段へと降下していきます。
→このとき特徴的なのが各段の仕切り。
同社では敢えて流れ落ちにくい加工を施し、
各段にもスティルワインが滞留する
特別な仕組みを構築。
これにより下部から上昇する気化原酒が
スティルワインに直接接触することとなり、
原酒に力強さや複雑で多様な風味を与えています。
↓
さらには気化原酒(80℃)は
左塔の内部を通るチューブを通っていくのですが、
左塔のタンク自体は
蒸留前のスティルワイン(10℃)が充填されており、
それぞれの温度差(80℃:10℃)を活用したワームタブ(冷却器)の
機能も併設されており、効率的な蒸留が行われています。
またこの蒸留器では1日で大体4樽分の仕込みが行えるそうです。
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そして効率的なワームタブで液化した原酒は
いよいよ熟成へ進むのですが、
ここでも同社のこだわりポイント。
いきなりそれぞれの樽に移すのではなく、
全ての原酒はまずは
ガスコーニュ産オークの新樽にカスクイン。
これは熟成の効果を早めるだけでなく、
醗酵同様に原酒を休ませてやることも意図されています。
そして、18ヶ月~4年間の前期熟成を経て、
日常的なテイスティングのなかでジャッジされた段階で
樽の影響が穏やかな、使い古された古樽~古々樽へと
更なる熟成が行われます。
最終的に最長熟成期間は55-60年にも渡り、
それ以上の熟成が困難or不要となった超古酒は
ガラス製容器のボンボンに移されてボトリングの時を待ちます。
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今回のセミナーでは奥深いアルマニャックの世界、
産地や品種、蒸留・熟成など多くの多様性を持ち
その成果となる原酒の魅力の大きさを知り、
ハードリカーが難局を迎えるなかで
将来に向けた可能性を見ることができました♪
また、マーク氏自身、
開始前の歓談でも快く対応してくれ、
プライベートボトリングなど即答し難い話題も
その場で対応してくれるなど
オーナー、セールス、作り手と
多才な才能とお酒への大きな情熱を感じ、
今後の彼のボトルへの大きな期待が持てました。
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それではここからは
【新着商品のご紹介♪】
今回はセミナーでテイスティングしたアイテム含め
9アイテムのご紹介です。
まずはテイスティングアイテムから。
最初に手にして欲しいのは
今回の入荷でも一番若い1993年原酒。
希少なフォルブランシュ種から
生み出された原酒は20年を超え
原酒の力を保ったままに
良好なゆりかご(カスク)育まれることで
類稀な凝縮感を手に入れました♪
バニラから始まり、程よいタンニンと
長く続く上品な甘さはまるで
重厚なシェリーカスクモルトのよう。
そうしたモルトが好きな方にぜひ試して頂き、
アルマニャックの魅力を体感して頂くに相応しい
スリーリバーズさんおすすめの1本です!!
ARMAGNAC DARROZE
COUZARD LASSALE [1993-2016]
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こちらは固有のバコ種を使用した1本。
ヴィンテージは進んで1980年代中盤。
こちらもスリーリバーズさんおすすめの1本。
テーマは「複雑さ・力強さ」。
古くからアルマニャックの骨格を支える
主力品種だからこそ生み出せる味わいは
幅広いハードリカーファンにおすすめします!
ARMAGNAC DARROZE
BARIGOS [1985-2016]
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やぎゅーと同じ1980ヴィンテージは
ユニブラン種を使用した1本。
こちらはまずコストパフォーマンスに注目!!
既にアラフォーに差し掛かる超熟クラスが
このプライスレンジで味わえるのは
昨今のマーケットでもそうそう機会はありません!
華やかさにスパイシーさが加わった味わいは
喩えるならスペイサイドモルトでしょう。
これだけのスペックでこのプライスレンジ。
1980年生まれはハイコスパヴィンテージです!
ARMAGNAC DARROZE
LA POSTE [1980-2016]
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同じくドメーヌ・ラポステでは
1974ヴィンテージもオンリスト。
こちらもユニブランを使用した1本。
1980に比べては華やかさを持ちながら
重厚な口当たりも発揮する官能的な展開。
40年オーバーのコスパはもちろん、
その味わいは標準以上の個性を感じさせます!
スリーリバーズさんおすすめボトル。
ARMAGNAC DARROZE
LA POSTE [1974-2016]
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当日のテイスティングの締めは
スリーリバーズさんおすすめの
閉鎖蒸留所となるドメーヌ・ゴビ。
蒸留年は1960年代中盤。
半世紀の眠りを経た熟成古酒を
味わえる数少ない貴重なボトル。
この仕上がりはまさに圧巻!
エキゾチックとも感じる妖艶な
南国フルーツ系フレーバーに始まり
いぶし銀のランシオ香を漂わせ
長く深遠なアフターが堪能できます。
今となっては暴騰も著しい1960年代原酒。
現実的なプライスで手に入る失われゆく味わい、
熟成アルマニャックの真骨頂とも言える
マストバイの1本です!!!!
ARMAGNAC DARROZE
GAUBE [1966-2016]
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『残り4本もお見逃しなく!』
こちらは限界ギリギリの
40度のカスクストレングスボトリング。
熟成の1つの頂点とも言える状態を
マーク氏がバッチリ見抜いた1本です。
ARMAGNAC DARROZE
TILLET A ESCALANS [1974-2016]
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閉鎖蒸留所・ゴビのもう1本は
40年オーバー原酒。
1966しかり、現実的に楽しめる
貴重なアルマニャック古酒♪
ARMAGNAC DARROZE
GAUBE [1972-2016]
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ドメーヌ・ブイヨン1965。
半世紀熟成原酒となる
スリーリバーズさんおすすめボトル。
アルマニャックの神秘を感じさせる
同社でも貴重な秘蔵ボトルです!
ARMAGNAC DARROZE
BOUILLON [1965-2016]
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ラストは今回のリストの最長熟。
閉鎖蒸留所・ゴビの半世紀オーバー原酒。
ここまでくればカテゴリーも超越して
全てのハードリカーファンに
ぜひ体感しておいて欲しいところ。
マーク氏の語る、
”アルマニャックの個性”が体現された
スリーリバーズさんおすすめの1本です!
ARMAGNAC DARROZE
GAUBE [1962-2016]
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それでは今回のブログはここまで。
みなさまの"酔い"夜をお祈りして♪
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『プライベートボトル新作のご紹介!』
GLENDORONACH FOR SHINANOYA
「the 3rd BOTTLING」
王道のディジェスティフ。
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