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真夜中にワインを思う

40歳を過ぎたあたりから、不思議とワインの気配を感じるようになった。
それまでまともに飲んだことなかった気がするのだけど。

「サイドウェイ」を観てからだ。

ワイン好きのおっさん(ポール・ジアマッティ)とその悪友の、ワインと女を巡るロードムービー。
ダメダメな人生が、熟成されたワインのように味わい深く感じられる、不思議な映画。
切なくて暖かくて、ダメなんだけどどこか憎めない。
観終わって、くるりと「回れ右」をした気分になった。
今までの40年の人生の逆方向に立って、折り返しの人生がスタートしたような。
今まで見えていなかったことも、逆の方向から見るとよく見える。
面白くて可笑しくて、肩の力が抜けて、人生がめきめきと楽しくなったのです。

それから後、みょーにワインに絡まれるようになった気がする。
ヤツは何故かいつもそこにいる。「男の影にワイン有り」だ(初めて聞いた)。
いろんな男がいて、いろんなワインを飲んだけど、総じて皆さんありがとう。
今度会ったら空瓶で頭を殴りつけてやりたい男はひとりだけ。少なくて良かったです。

きっかり1年半前に、「今度一緒に、イタリア人のようにワインを飲みませんか」との誘いを受けた。
「じゃあ、イタリア人のように口説いてくださいね」って返したらそれっきりだったので(涙)、まあいっかと放置していたら、復活。
待つって大事ね。しみじみ。
味わい深いデートになりますように。

先日、知り合いの60代の女性と話していて、タジタジになった。
「好きな男が自分のことをどう思っているのかわからない時が、一番苦しいのよね。胸をかきむしられる想いがするわあ。でも自分のことを好きってわかった途端に冷めちゃうのよね。ウフフ」ですって@@。
私も相当どーしようもない40代だと自負していたけど、いやいや、まだまだ。がんばらなくちゃ。

#映画

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