MENU

ワインを飲んで怒られる

私には姉がいる。不惑のばつに女である。

その姉が去年の秋頃、彼氏と一緒に五ヶ瀬ワイナリーに行った。
五ヶ瀬と言ったら、宮崎県の分際でスキー場のあるところだ。つまり宮崎県の北の端っこだ。遠いのである。
嬉しそう~に白ワインを1本抱えて、姉は帰ってきた。

「これ、ものすごく美味しいの~。冷蔵庫の野菜室に冷やしておくから、飲んでみてね♪」

姉はそう言った。確かにそう言った。
でも私も姉も、そのワインの存在をすっかり忘れてしまった。

そして年末のある日曜日。
忘年会やら同窓会やらで連日のように酒浸りだった私は、ストレスが大変たまっていたのである。
イライラしながら冷蔵庫の野菜室を開けたとき、レタスの横に申し訳なさそうに立っている白ワインを見つけた。
「あ、これ飲んでいいって言われたんだった。飲んじゃお♪」
パジャマ姿でコルクの栓をぐりぐりと回し、乱暴にマグカップにどばーっと注ぎ込み、コタツにもぐりこみながら私は飲んだ。

あ。美味しい。甘いもの好きのお子様な私にぴったりだな。うん、とってもフルーティ♪
こたつでぬくぬくしながら、美味しいワインをがぶ飲み。まるでご機嫌な猫。なんて幸せな日曜日。
気づけば1本飲み干してしまった。

時は流れ、忘れもしない、今年の2月13日。バレンタインデーの前日のこと。
朝5時、まだ布団の中で夢を見ていた私は、けたたましい姉の声で起こされた。
「ない!ない!ワインがない!!!明日、彼と二人で飲む予定の五ヶ瀬の白ワインがないいい。」
ああ・・・なんだかとても嫌な予感(汗)。
ガチャ(ドアを開ける音)
姉「ね、知らない? 私のワイン。五ヶ瀬の白ワイン!!!」
私「・・・えと、なんか、去年の暮れに飲んだ気がする・・・えと・・・飲んでいいって言われた気がする・・・」
姉「はぁ?ちょっと、嘘でしょ?なにそれ?確かに飲んでいいって言ったけど、ずっと飲まなかったたじゃん。だから私、バレンタインデーに彼と二人で飲むって決めてたのに、何で飲んだの? どういうこと? はぁ?ちょっと、嘘でし・・・(最初に戻り、3回くらいループ)」

えー、まあ、30分ほどでおさまりました。
私も起き抜けで頭回らなくて、とにかく謝りましたんで。
と言うか、反論したら皿が飛んできそうな勢いだったんで、謝ると言う選択肢しかなかった(涙)。

毎年バレンタインデーには、この大騒ぎを思い出すんだろうな。

さて、そんなうちの爆弾姉ちゃんが、来週また五ヶ瀬ワイナリーに行くんだそうです。
美味しいワインが楽しみです。
皆さん、お土産のワインを飲むときは、必ずひと声かけましょう♪

#酒

この記事を書いた人