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マスター さようなら、、、

先日とても敬愛していた近所のBARのマスターのお通夜に参列しました。
ひさしぶりに常連だった皆さんに会うこともできました。

数年前からリハビリ生活をしていることは聞いていたのですが、
突然でびっくりでした。
もう一度、マスターの店で鈴木重子のアルバムを聞きながらラフロイグを
呑みたいとずっと願っていましたが、、、。


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僕が今の町に引っ越して来た時に最初に入ったBARでした。
なんの変哲もないどちらかというと場末のBAR。
ジャズが流れているが、普通に民放TVもついている。
素晴らしいカクテルがあるわけでもなく、すごく珍しいウイスキーが飲めるわけでもない。

ただ、必ず開いている。
14年間一日も休まなかったのがマスターの誇りだった店。

見た目ダンディ。声もダンディ。酒と女性とギャンブルが大好きな人でした。
話好きな人でしたが、おしゃべりではない。会話が上手な人。
聞くことも上手で話すことも上手。会話をうすっぺらく返すことはなく、
一捻りした返しのできる人でした。

上から目線のお客さんの相手は一級でした。柔よく剛を制す。
それを横で見ているのがすごく楽しかった。
そうやってマスターが楽しませてくれていたのだと思うけど。。。

色々な話をしました。
20歳上だったのでなんでも思い切って相談をしました。
仕事のこと、店のこと、家族のこと。くだらない話もたくさん。
自身は孤独な人だったのに、自分のことのように必ずいつもしっかりと話を
聞いてくれました。
色々なことを教えてくれました。
馬のこと、女性のこと、世の中のこと、人付き合いのこと、BARのこと。

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通夜の時マスターが地元のラジオに出演した時の録音MDを聞くことができました。
MC女性「どんなお店なんですか?」
マスター「なんにもないですねえ。」
MC女性「なんか特徴とかは」
マスター「なんにもない。ただグラスを持ったお客さんと僕がいます。」

常連からしてみると予想通りの展開。
カウンターでの会話を聞いているような番組内容で、MCの方も最初はドギマギしていたのに、結局最後はマスターとの会話を楽しんでしまってる。。
しばらく聞いていなかったマスターのダンディ声を聞いた時、あのBARの空間
が頭によみがえって涙でいっぱいになりました。

マスター。何にもなかったのになんで思い出ってこんなに残るんだろうね。

人生の楽しい時間、本当にありがとうございました。

 

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