チョコレートモルトの個性だけでなく、いろんな樽のヴァッティングを感じる面白いボトルでした。
グレンモーレンジ GLENMORANGIE OB SIGNET 46%
・香り:
熟したプラム、ドライオレンジ、アプリコット、ビターチョコレート、キャラメリゼしたナッツがかなりしっかり、焦がし麦と少しショウガっぽい若い麦感が両方ある。バニラ、蜂蜜、リンゴ感にもカルヴァドスと若い青リンゴが両方、クリーム、少し炭っぽさ、新旧合わさったニュアンスのある不思議な複雑さ。
・味わい:
スムーズな口当たり、コーヒー、ドライオレンジ、焦がし麦とショウガ、シナモン、リッチ、クリーミー、ミルクチョコレートの甘さ、やや強めだが良いタンニンの渋味と収斂性、わりと粘性のあるテクスチャー。度数の割に厚めのボディ。
・余韻:
コーヒーの渋味を伴う濃いめの甘さが長く残る。
・加水:
より滑らかになるが大きく崩れはしない。
・総評:
深煎りした「チョコレートモルト」から来ると思われる明らかにコーヒーやビターチョコを思わせるニュアンスが顕著。滑らかでクリーミーで濃厚な味わいだが、麦感やリンゴ感などは新旧の要素が混在しており独特なヴァッティングを感じる。
【Good/Very Good, Interesting】
グレンモーレンジから2008年ごろにリリースされたオフィシャルボトルで、チョコレートモルトという深く焙煎した麦芽を使った原酒をヴァッティングしたことで話題になったボトルです。
熟成年数やチョコレートモルト原酒の比率などはすべて公開されず、立派な外装と凝ったボトルデザインで20000円を超えるボトルでした。
最近どういうわけか、アメリカ向けと思われる750mlのボトルが日本に入ってきており、値段も13000円程度で流通しています。
リリース当時に買って飲んで、美味しく面白いボトルだったこともあり、改めて購入して開けてみました。
上記のようにチョコレートモルト由来の独特の要素に加えて、恐らく古い原酒と若い原酒が共にヴァッティングされていると思われる不思議な複雑さのあるボトルで、かなり楽しめました。
#グレンモーレンジ (GLENMORANGIE)