甘さがうまく乗ったカリラで,納得されられる仕上がりでした。
カリラ CAOL ILA 1998-2015 OB FEIS ILE 2015 TRIPLE MATURED 57.3%
one of 1500 bottles
香りはレモンと徐々に強まるアプリコットジャムやプラム、塩素、魚介ダシ、強く旨そうな麦感、カスタード、鋭く強いピート、飲むと滑らかな口当たりからじわじわと広がる、アプリコットジャムやプラムジャムのコクのある強い甘味、魚介ダシと麦の噛みごたえのある旨味、ナッツ、オークの淡いタンニン、甘さは強いが長く残らず、ピートのある長い余韻。
【Good/Very Good】
今年のアイラフェス向けのカリラは1998ヴィンテージのトリプルマチュアードでした。
香りからはカリラらしいフレッシュな柑橘や塩素,魚介,冷たさや鋭さも感じる強いピートが感じられる一方で,アプリコットジャムなどの暖かさと濃厚な甘さを感じるような要素も同時に感じられました。
飲んでみると温かく甘い要素が香りよりも顕著に感じられ,フルーツ感も濃縮して甘いニュアンスが強く感じられました。
ドライでキレの良いタイプの多いカリラですが,今回のボトルは結構甘口でした。しかし思いのほかしっかりと融合している印象で,とってつけたような後熟感は感じませんでした。
この甘さは,PXとかモスカテルあたりのシェリーカスクがトリプルマチュアードのどこか(たぶん最後)で入っているんだろうなと思いつつ調べてみると,どうやら最初はリフィルのアメリカンオークカスク,そして次にモスカテルのカスク,そして最後がオールドオークパンチョンで熟成したということでした。
甘さやコクをモスカテルカスクでつけ,それだけでなく最後にプレーンなパンチョンで熟成させて落ち着かせたことで,甘さがありつつも一体感がある香味になったんだろうなと,納得してしまいました。
評価をVGにしようか迷うくらいの仕上がったカリラでした。
#カリラ (CAOL ILA)