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ニューリリース:キルホーマン 2008 7年 オフィシャル アイラフェス2015向け #245,449&450/2008

ついに下駄なしで評価できる一人前のキルホーマンが出てきました。

 KILCHOMAN 2008-2015 7yo OB FEIS ILE 2015 #245,449&450/2008

キルホーマン KILCHOMAN 2008-2015 7yo OB FEIS ILE 2015 #245,449&450/2008 58.2%
one of 742 bottles, Fresh Bourbon Cask

香りはシトラスと青リンゴ、うっすらと桃、カスタードクリーム、フレッシュな若葉、若々しい麦感、昆布のような海藻っぽいミネラル感、スモーキーで強いピート、飲むとキツさはなくじわじわと刺激、シトラスやグレープフルーツ、青リンゴ、フレッシュフルーツの甘味と酸味、こなれてきた心地良い麦感、やや鋭いピートがしっかり、フルーツとピートが共に残る余韻。

【Good/Very Good, Interesting】

今年のアイラフェス向けにボトリングされた,キルホーマン2008,7年熟成の3樽のヴァッティングです。

香りの第一印象でちょっとびっくりしてしまいました。
今までよほど強いシェリーカスクなどでないとキルホーマンにはルーチンで感じてしまっていた未熟香がほぼ感じられず,良いバーボンカスクで熟成したと思われるフレッシュな柑橘や青リンゴ,クリーミーなニュアンスも感じられました。
さすがに麦感はまだ若々しいですが,未熟な青草っぽさではなく若葉のような爽やかなグラッシーさがあり,海を感じる昆布のニュアンスやアイラモルトらしい強いピートがありました。

飲んでも香り同様に多彩な爽やかなフルーツが主張し,その印象のまま心地良い甘味と酸味が感じられました。麦感も香りよりもこなれており,余韻にはピートだけでなくフルーツもしっかり残っていました。

とにかくあからさまな未熟感が感じられず,かといってとってつけたような樽香でマスクしている様子もないナチュラルな香味だったのが印象的で,自然に熟成させてこの味が出てくるようになったんだなと強く認識しました。しかも,最長なら2005年蒸留の10年程度の熟成のものが使えるはずが,これは2008年蒸留の7年熟成というところも興味深いですね。単に熟成期間の影響だけでは無く,作り全体の経験に基づいた工夫の成果という気がします。

今までは,「キルホーマンにしては~」とか「若い原酒しかないんだから仕方ない」というスタンスで飲んでいた部分があったのですが,ついにそういうことを考慮せずに普通に飲んで評価できるボトルが出てきたことを,非常に嬉しく思います。

今回のキルホーマンを飲んですぐに思い出したのが,アイラフェス2006向けに詰められたボウモア1999,6年熟成です。
※はからずも,このボウモアもフレッシュバーボンカスク3樽のヴァッティングですね!
以前記事にした通り,このボトルを飲んで90年代蒸留のものにらしいフルーティがあって美味しいボウモアが帰ってきたことを強く認識したのですが,その後は素晴しいCPのテンペストのバッチ1や1993などのリリースもありましたし,平均的に期待通りに美味しいボトルがたくさん出てきました。
ボウモアとキルホーマンでは生産量が違いますから,美味しいものがコンスタントに出てきたときにそれが普通に手に入るかどうかは心配なところではありますが,今回のキルホーマンも同様に,これから何年かするとこういうボトルが当たり前のように出てくるようになるのではないかと思いました。

 

#キルホーマン (KILCHOMAN)

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