気持ちのこもった記念ボトルでした。
ラフロイグ LAPHROAIG 1993 21yo OB for FRIENDS OF LAPHROAIG 21 Years of Friendship 48.4%
香りは強くフルーティ、グレープフルーツのわた、グァバ、淡くパッションフルーツ、少しチーズ、バニラ、こなれた旨そうな麦感、湿った土と草、そこまで強くはないが海藻のミネラルとヨード、強いスモーク。
飲むと滑らかな口当たりから力強く芳醇に広がる、香り同様にフルーティは多彩でトロピカル感あり、ジューシーなフルーツの甘みと柑橘の酸味、海藻の塩気、やや噛みごたえのあるテクスチャーとしっとりした麦の旨味、アーシー、心地良いオーク、スモーク優位なピート感、ややオイリーでボディもあり長い余韻が続く。
【Very Good】
ラフロイグのバイセンテナリー第2弾は21年熟成ということは以前からわかっていましたが,ふたを開ければフレンズオブラフロイグ(foL)の21周年記念ボトル,しかもfoLのみに向けたハーフボトルという驚きのリリースでした。
ヴィンテージは1993で,21年熟成です。
"friends of LAPHROAIG"は,1994年に設立されて今年21年目になるラフロイグのファンクラブのような存在です。ラフのオフィシャルボトルを1本でも買っていれば,オフィシャルサイトから登録できます。
当初,foLのサイトからの抽選販売だったのですが,価格が安くないためかそれほど売れなかったようで,結局抽選販売後もfoLのサイトで販売しています。
当選したときはめちゃくちゃ嬉しかったのですが,ちょっと微妙な気持ちでした。(笑)
肝心の内容はというと,香りにはさすが1993というフルーツ感が充実しており,らしいグレープフルーツ系の柑橘に,グァバやパッションフルーツといったトロピカルフルーツのニュアンスが感じられました。
旨そうな麦感もしっかりと残っており,らしい海藻っぽさを伴うミネラル感や強いピートも主張してきます。個性的なヨードもしっかりありますが,オフィシャルにしては若干控えめでしょうか。またスモークに炭や灰っぽさを伴わないのも個人的には好印象でした。
飲むと力強い芳醇な広がりがあり,香り同様に非常にフルーティです。果汁感も伴ったフルーツの甘味と酸味があり,海を感じる塩気もあり,心地良いオークや土っぽいニュアンスも感じられ味を深めています。
熟成感はありますが嫌味は無く,バーボン系の良いオークで適切な熟成を経たラフロイグという感じです。
バイセンテナリー第一弾としてでてきた15年の加水タイプの延長上にある(より深く厚くしたような)香味という印象で,度数もやや高めで十分な厚みもあるのですが,現在の王道系のヨードやパワフルなボディよりもフルーティさが優位なハイレベルバランスタイプと感じる仕上がりでした。
VG/Eと迷うような素晴らしいラフロイグです。
さてこのボトル,価格がハーフボトルで99ポンドとやや高額だったためか,ラフロイグの通販サイトでも「高すぎる」「お前なんか友達(フレンズ)じゃない」みたいな投稿がいくつもありました。
でも,本当に高いでしょうか?
まぁフルボトル換算で4万円近くするわけですから金額だけ見れば決して安くはありませんが,アイラの人気蒸留所のオフィシャル20年オーバー,人気の1993ヴィンテージで記念のリミテッドエディション,カスクストレングスかどうかは不明ですが度数も高めということを考えると,去年のドイツ向けの1991だってこれくらいの値段で売切れてますし,スペックだけ見ても決して非常識な値付けではないと思います。
同じアイラの人気蒸留所,ラガヴーリンのオフィシャル21年なんて,こんなにモルトが高騰する前の2012年詰めがすでに4万円オーバーでしたね。
また,今回の21年のボトルが入っている筒には,foLの歴史とラフロイグラヴァー(フレンズ)への感謝の気持ちが記載されています。読んでいて素直に嬉しい気持ちになりました。
そして何より肝心なのは中身が間違いなく美味しいことです。
サイトに文句を書いている人の大半は,中身には触れてないですし飲んでもいない人たちだと思います。
価格の相場も鑑みず,飲んでもいないのにネガティブなことを書いているとしたら,友達じゃないのはどちらでしょうか?と個人的には思ってしまいます。
むしろ,バイセン15年や100%フロアモルティングの今年のカーチェスが安すぎたとも思いますね。
所有者であるサントリーさんの(バイセン15年もまだ日本に届かないという)国内の愛好家軽視の姿勢にはがっかりしていますが,ラフロイグの今回のバイセンがらみのニューリリース,私はどのリリースも支持します。
#ラフロイグ (LAPHROAIG)