ドライな短熟オールドのスプリングバンクのひとつの典型かもしれません。
スプリングバンク SPRINGBANK 1977-1987 10yo OB for Italy 57%
香りは華やか、フレッシュシトラス、白い花、フリーズドライのイチゴ、乾いたニュアンスのある強い麦、飲むとしみ込むような強い麦感とその旨味、フリーズドライのイチゴの上品な甘味と酸味、しっかりとブリニー、ヒリヒリとスパイシーだがキツさはない、ドライでキレのある余韻,凛とした美しさを感じる。
【Very Good】
オフィシャルのスプリングバンク1977,10年熟成のカスクストレングスです。
全体に華やかで,白い花やフレッシュな柑橘,フリーズドライのイチゴのニュアンスが強めに感じられ,麦の主張や旨みも強く凝縮されていて,甘味は上品でブリニー,ドライでキレのある味わい。
この流れは,70年代以前の短熟オフィシャル(特にトール瓶)のスプリングバンクにしばしば感じる香味で,自分の中ではひとつの典型例かなと思いました。
不思議ですが,同時期蒸留でももうちょっと熟成が長いものや,同じ短熟でももう少し後のオーバルやダンピーボトルなんかにはもっとコクを感じる濃い甘味や粘性,ジャムっぽさも感じることが多くなります。麦感も穏やかな印象です。
共通点はもちろんあるのですが,評価の切り口を変えると結構別の酒質のように感じる面もあります。
凛とした吊り目の美人と少し落ち着いた垂れ目の美人のような違いです。わかりにくいですかね?自分でも書いていてそんなにしっくりきてません(笑)
ヴァッティングするシェリーカスクの割合の問題のような気もするのですが,納得いかない部分も多く,まだ理解にはほど遠いようです。
個人的には同じバンクでも垂れ目美人の方が好みなのですが,どちらのタイプも個性的で魅力的であり,スプリングバンクという蒸留所はなかなかに理解しづらいです。
#スプリングバンク (SPRINGBANK)