先日、Whiskylinkで行った第5回SBT(ストイックブラインドテイスティング)
テイスティング時には知りませんでしたが、
ボトルBの出題者はgoblinさんでした。
ブッシュミルズ Bushmills 1985 OB for La Maison du Whisky #15183 56.5%
(完全なブラインドテイスティングで評価しています。)
・香り
ヒネもあるわりと古いニュアンス、ホコリっぽさ、オレンジ、濃く煮出した紅茶、甘酸っぱそうなアプリコットジャムや梅ジャム、トロピカルが見え隠れ、少しカラメルと淡いオールドピート、アンティーク家具のウッディネス、焦がし麦、土、少し機械油、奥に紙と植物感。
・味わい
オールド感しっかり、アプリコットジャム、濃い紅茶、カスタードと少しトロピカルフルーツ、少し紙やグレーン感、強めのオイル、少しもっさりしたニュアンス、ボディがありややスパイシー、ジャムの甘味と少し酸味、悪くないウッディな渋味もある、後半に少しピート、余韻に紙っぽさが残る。
・総評
ちょっと苦手な紙のニュアンスはあるものの、トロピカル感を含む熟したフルーツが充実しており、オイリーで熟成が長そうなわりには厚みもある。わりとオールドブレンデッドのようなオールド感もあり、グレーンっぽさも含まれているのだが、ブレンデッドにしては個性が非常に強くボディもあり、バランスを調整されている感じもない。
強いオイル、紙やグレーンっぽさ、それにトロピカル感を含むフルーツ、これらをもとに予想してみた。
これらすべてを感じるモルトとして、ベンネヴィスをまず思い浮かべたが、もっと個性的で珍味感が強いものが多い気もする。あとはもっさりした独特のニュアンスからグレンスコシアを、トロピカル感からはベンリアックやロッホサイド、ボウモアあたりも思い浮かんだ。その他には、アイリッシュとやや長熟のシングルグレーンなんかも考えたのだが、どれも決め手に欠き悩ましい。
苦手な紙っぽさを過大評価して最近何度もミスしているが、今回も懲りずに紙っぽさをキーワードのひとつとして選んでしまったのが大きな不安材料。。。
【Good/Very Good】
予想蒸留所:①ベンネヴィス、②グレンスコシア、③シングルグレーン
蒸留年:1960年代
熟成年数:25~30年
度数:50~55%
点数:85
カスクタイプ:リフィルシェリーホグスヘッド
妥当な価格:12000円
このボトルに対するSBTでの評価、正解発表はこちら
⇒ ボトルB評価 ボトルB正解発表
正解はアイリッシュのブッシュミルズ1985、15年程度の熟成とのことでした。
熟したフルーツ感が多彩で、オイルと紙っぽさを感じるのが特徴的だと思ったサンプルでした。
そのあたりはアイリッシュやシングルグレーンなんかと共通点のある味わいだと思ったのですが、ボディとピートなどその他の多彩な要素の主張を感じスコッチ予想をメインにしてしまいました。
そして長熟グレーンとアイリッシュ、最後の第3予想にどちらを回答に入れるかでかなり迷ったのですが後者でしたね。
ある程度特徴を捉えながらあと一歩正解に届かなかった悔しい問題でした。
他のテイスターさんもおっしゃっていましたが、テイスティングするたびに印象が大きく変わったボトルだったのも印象的でした。
最後に飲んだ時の印象を特にじっくり掘り下げて評価し、テイスティングもそれなりにしっかりできたと思っていましたが、年代が全然違いましたね。。。
蒸留所を外したことなどより、こちらのほうがよっぽど残念な気持ちです。
慣れ親しんだスコッチでなかったからと言い訳したいところですが、それにしてもボトリング後もっと経過しているような印象を持ちました。
他のテイスターさんにはそれほどオールド予想の方はいなかったようですし、これは私のテイスティングが純粋にイマイチだったということでしょうね。
そんなあたりも含めて、機会があればまたじっくりと飲んでみたいボトルです。
アイリッシュは苦手な紙っぽさが強くないボトル(レッドブレストやミドルトンヴェリーレアなど)に関しては結構好きなので、もっといろいろ試してみたくなりました。
そうえいばブッシュミルズはほぼ飲んだことが無かったですね。今までピュアポットスチルウイスキーだけの個性だと思っていたアイリッシュらしさがしっかりあるボトルだということをしっかり認識させていただきました。
今回も興味深い出題をありがとうございました。
#アイリッシュ (IRISH) #SBT