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らしさが詰まったフェッターケアン 1973-2002 オフィシャル そしてモルトバーの魅力についてちょっぴり語ってみる

フェッターケアンらしさがしっかり感じられ、かなり美味しかったです。

 

フェッターケアン FETTERCAIRN 1973-2002 OB #1966 54.3%

香りはかなりオイリーなバター、キャラメリゼしたナッツ、アプリコットジャム、バナナ、カスタード、樹液、蜂蜜、少し焦がし麦。飲むとかなり粘性のある濃い甘味、ほどほどにスパイシー、かなりリッチ、舌にずっと残るように非常にオイリーで甘く長い余韻。

【Very Good】

オフィシャルシングルカスク、カスクストレングスのフェッターケアン1973。
フェッターケアンも非常に個性的な蒸留所で、私はバターやキャラメリゼしたナッツを感じることが多く、とにかく油っこいイメージです。この個性はここ数年でリリースされたエージェンシーやOMCのものにも同様に感じられ、ブラッカダーのものにも近いものがありました。クセがありますが旨みも非常に濃く、たまに猛烈に飲みたくなることがあります。

このボトルは複雑でリッチで旨みも濃く、何よりフェッターケアンらしい非常にオイリーなボトルでした。
何種類かモルトを飲む中で、お寿司で言うとアナゴ的な役割で楽しめることが多いのですが、今回もそんな風に楽しませていただきました。

余談ですが、私にとって、モルトバーのカウンターで飲むのとお寿司をカウンターで食べるのってかなり似ています。(お寿司はめったに食べられませんが。。。)
ちゃんとしたお寿司屋さんでお任せで握りを頼むと、お店の選んだその時の美味しいものを、それぞれのネタをより美味しく感じられるような順番で出してもらえますよね。
完全にお好みで注文したら頼まなかっただろうと思うものも入ってきて、それが美味しさや楽しさを倍増させてくれたりします。どんなにネタが良くとも、好きなネタだけ好きなように食べるのでは得られない感動があったりもします。
そういうのって良いモルトバーで複数杯飲むときにも共通していると思うんですよね。

つまり、ウイスキーそのものの質もさることながら、マスターのセンスがかなり重要だと思うわけです。
私が通う有楽町のバーはその部分がとにかく素晴らしく、度数やピートの有無も考慮しつつ、激ウマのオールドボトルばかりでなく、わりと緩めのオールドスタンダードや普通のニューリリースも上手に混ぜながら出してくれます。それが素晴らしいオールドボトルをより感動的なものにしてくれるだけでなく、ニューリリースの魅力を感じることにもしばしばつながります。嗜好の幅も広がり、いつの間にかモルトに対して優しくなっていることに気づきます。そこが最も素敵な点です。
その結果としてモルト好きが集まるようになり、ボトルの回転も質も良くなり、ますます我々は頻繁に通うようになるという素晴らしいサイクルが生まれているわけですが、その核にあるのはすごいボトルのストックではなく、マスターの人柄とセンスであると思うのです。

いろんなものが飲めるというのもモルトバーの魅力のひとつですが、マスターのセンスで同じボトルでもより美味しくいただけるというのが私にとって最も魅力的です。
これは私の通う有楽町のバーに限ったことではないと思います。
家に結構なストックとたくさんの開栓済みボトルがあるにもかかわらず、私が家飲みとは別にずっとバーに通い続けているのはそんな理由からです。

#フェッターケアン (FETTERCAIRN) #考えたこと

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