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グレングラント 45年 GM 蒸留所ラベル 80年代流通

妖艶さとすさまじい陶酔感があり,うっとりしてしまいました。

 

グレングラント GLENGRANT 45yo GM distillery labels 40%
80年代流通

香りは華やかで陶酔感のある高貴なシェリー、イチゴジャム、アプリコットジャム、ブドウ果汁、アンティーク家具、すみれのフローラル、ブーケガルニのようなハーブ感、クローブ、オールドピート、レザー、複雑、飲むと滑らかな口当たりから芳醇に広がる、滴るブドウ果汁、イチゴジャム、キツさのない素晴らしいオールドウッディネス、なめし皮とオールドピート、柔らかだが濃い甘味と良い酸味、淡い渋味、複雑でリッチ、うっとりするような妖艶さと陶酔感があり、優しいが長い余韻。

【Excellent】

GMから80年代にボトリングされたグレングラント45年です。
逆算すると,少なくとも戦前蒸留で,下手をすると30年代後半の蒸留かもしれません。

香りはのっけから陶酔してしまう高貴なシェリーがあり,各種ジャムとブドウ果汁が伴に感じられるフルーツ,すみれのフローラル,アンティーク家具のようなオールドウッディネス,ハーブやスパイス,レザー,そしてオールドピートと,次々と香りが拾えますが,それらの複雑な成分は個々に主張してくるのではなく,しっかりと一塊になって押し寄せてくるような印象を受けました。
飲んでも香り同様に非常に複雑で芳醇,ドキドキするような妖艶さもあり,濃い甘味と良い酸味,淡い渋味のバランスも絶妙で,陶酔するような味わいでした。

とにかく素晴らしいボトルでしたが,不思議な点も多々ありました。
こんなシェリーがしっかり感じられる超長熟なのにどうして渋味がこんなに控えめなのだろうか,どんな樽で45年寝かせるとこうなるのでしょう。
そして,以前も同様にExcellent評価をしている1958蒸留10年オーバー表記のグラント60年代流通の10年アザミラベルも,かなり同系統の味わいと感じました。
(最近の【E】評価ってグラント多いです・・・。)
熟成年数が相当違いますが,麦感がある程度残っているか否かくらいで,概ね同様のシェリー感を中心とした同様の魅力を感じます。
ウッディネスに関しても同様で,現行ボトルの感覚だとこれだけの長熟と短熟(古いものを混ぜているとしても)でこんなに似たような仕上がりになるということは想像ができません。
当然長熟の方が樽の影響が少しずつ出るタイプだったのでしょうが,それにしても45年でこの過熟感の無いバランスの良い仕上がりは不思議ですし,短熟は短熟でエキスが出る樽を使ったとしても早く仕上がり過ぎです。

熟成の状況を見て短熟で詰めるか長熟で詰めるかを決めているということになるんでしょうが,瓶内変化を経た現在,結果的に同系統の仕上がりになっているのはとても面白いと思いました。

仲間内でも話の種になり,熟成の不思議についてまた考えさせられるボトルになりました。

 

#グレングラント (GLENGRANT)

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