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プチSBT from ポルコロッソさん

モルト仲間のポルコロッソさんから,ブラインドサンプルをいただきましたので,ありがたくテイスティングさせていただきました。


※写真撮り忘れのため画像はこんな感じという参考です。

 

(以下はブラインドでテイスティングした内容です。)

・プチSBT from ポルコロッソさん

・香り
強いフルーティが前面,はっきりと桃やライチ,しっかりとトロピカル,奥からアプリコットジャム,オーク,バニラ,少し井草,クリーム。
 
・味わい
ほどほどにアタックのある口当たり,香り同様非常に強いフルーティ,トロピカルフルーツ,桃,マンゴー,パイナップル,ライチ,良いオーク,小児用シロップ薬のケミカル感,少しタールを伴うピート,オイル。
突き抜けたフルーティのわりにボディは意外とある,やや粘性があってトロミも感じる甘味,良い酸味,ほど良いタンニン,フィニッシュから余韻にかけてピート。フルーティな余韻は長め。
 
・総評
ケミカル感は伴うが,突き抜けたフルーティを堪能できるサンプル。トロピカルフルーツと桃の香味が特に強く感じられた。
加えて淡いピートがあり,何より度数とボディがあったのが印象的だった。
 
このケミカル+トロピカル感は,最近いろんな蒸留所のもので感じるが,紙っぽさや野暮ったさもなくやや洗練されており,直感ではベンリアック一択。
非常に軽やかでフルーティだった1976のホグスヘッド(信濃屋やKINKO,BBIなど)に比べるとボディがあり,淡いピートも感じた。
度数を残したバーボンカスクの1976か,もしかするとそれ以前の1968,1970などのベンリアックで度数と淡いピートがあるものを考えた。またここ数年のボトリングでかなりの長熟と思われる。
 
トロピカル+ピートというと,ボウモア60年代も鑑別に上がるが,これほどケミカルでボディを残した1960年代ボウモアには出会ったことが無い。
ケミカル+トロピカルでいうと,トマーティン,ロッホサイド,グレングラッサ,リトルミル,アイリッシュなども鑑別に上がるが,ピートはほとんど無いはずだしオフフレーバーが無く美味しすぎると思った。
この中なら草っぽさや洗練具合を鑑みてグレングラッサだろうか。ピートの件は引っかかるがグラッサのフルーティなものなら納得できなくもない。
またベンリアックっぽいロングモーンもたまにあるため鑑別候補に浮かんだ。
 
総合的に見ても圧倒的第一候補は直感通りオフィシャルのベンリアック,予想を一択にしようか迷ったが,ちょっと勇気が出なかった。(笑)
 
【Very Good】
 
予想蒸留所:①ベンリアック、②グレングラッサ、③ボウモア
蒸留年:1970年代(~1976)
熟成年数:35~40年
度数:50%前後
カスクタイプ:リフィルバーボンホグスヘッド

 

以上のようなテイスティングと予想で回答メールをお送りしました。
 
正解は・・・、

 

 

ベンリアック BENRIACH 1976-2012 ♯3028 hogshead 43.2% 
KINKOのファーストボトリング

 
キンコーさんが最初に詰めたベンリアックの1976でした。

出題意図は「巷でもてはやされたベンリアックも、瓶詰めからは3年。そして、開封から4か月。個人的には、瓶熟といっても熟成→劣化に向かう経年変化の中で、自分の中で最高の状態と思われる「76」を試していただきたいと思いました」とのことです。

やはりベンリアック1976の個性でしたね。
飲んだことのあるボトルでしたが,正直,発売当時に飲んだ時は他の3000番台のホグス同様に非常にフルーティな反面,ボディが軽いイメージでした。しかし今回,記憶にあるよりかなり厚く感じました。

開栓後複雑になるものはしばしばありますが,ボディは普通軽くなる一方で,厚くなるものというのは経験が無かったので非常に興味深かったです。

トロピカルフルーツを感じるものは多々あれど,やはりベンリアックは洗練されているなと改めて感じました。

美味しいボトルをありがとうございました。

 

#ベンリアック (BENRIACH) #SBT

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