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珍しい熟成樽:スプリングバンク 2000-2012 12年 オフィシャル カルヴァドスウッド

あまり聞いたことのないカルヴァドスカスク熟成です。

 

スプリングバンク SPRINGBANK 2000-2012 12yo OB WOOD EXPRESSIONS CALVADOS WOOD 52.7%
one of 9420 bottles

香りは青リンゴ、白ブドウ、フレッシュな柑橘、シリアルのような若めの麦感、香りは基本若々しくスッキリ爽やかだが奥にもったりしたピートもある。
飲むと口当たりはさっぱりした青リンゴシャーベット、シロップの甘さ、強めの酸味、中盤からダシとオイル、タールのようなピートがかなり強く主張し余韻まで続く。さわやかな部分と重い部分にかなりギャップあり。

【Good, Interesting】

スプリングバンクのオフィシャル、ウッドエクスプレッションの最後のリリースとしてでてきた、カルヴァドスウッド。ごく最近のリリースです。
最初の6年をリフィルバーボンカスク、残り6年をフレッシュカルヴァドスカスクで熟成されていますが、そもそもカルヴァドスカスクのウイスキーって今まで飲んだこと無い気がします。(理由があって他の蒸留所ではこの樽が使えないという噂ですが、詳細は残念ながら知りません。)

さて肝心のウイスキーですが、熟成期間の半分である6年間も入っていたファーストフィルのカルヴァドス樽の影響は、それほど強くはでていない印象でした。(最近カルヴァドスを飲んでいなかったので、念のため飲み比べまでやって確認しました。)
青リンゴっぽいフレッシュな印象はありますが、カルヴァドスのリンゴ感とはちょと違う気がしました。むしろバーボン樽由来の青リンゴ感に近いようなニュアンスです。
なお、フィニッシュものによくある取ってつけたような不自然な感じもありません。1stフィルですがそこまで強い影響は出ない樽なんでしょうかね。

また、2000年蒸留のカスクストレングスですが嫌な未熟感を感じない、わりと完成度の高いボトルでした。
なんとなくですが、カルヴァドスカスクは、はっきりとしたキャラクターの負荷はせず全体を綺麗に熟成させてくれたような印象でした。

なお、飲むとフレッシュなニュアンスに続いて、オイルやタールっぽいハイランドのようなピート感がかなり強めに感じられました。
香りにも味わいの前半にもある爽やかな印象と、飲んで途中からのオイルやピートの印象に大きなギャップがあって、好みが分かれるかもしれません。
ただ個人的にはこのギャップのある展開は面白くて結構好きでした。
味わいの流れに一貫性を求める人にはちょっと嫌がられるかもしれません。

ウッドエクスプレッションの完結編らしいですが、また飲んでみたいと思えるなかなか面白いボトルでした。

 

#スプリングバンク (SPRINGBANK)

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