まさに麦から作られた旨いウイスキーです。
グレンバーギー GLENBURGIE 1974 32yo OB MASTER BLENDER'S SELECTION 55.9%
one of 324 bottles
香りは力強い、強い蜂蜜とバニラ、オレンジマーマレード、アプリコットティー、奥から洋ナシやエステリーな熟成香、しっかり華やかなフローラル、旨そうなしっとりした強い麦感、滋味深くリッチ、シナモン、淡いピート、飲むとトロリと滑らかな口当たりから芳醇にそして力強く刺激的に広がる、コクのある蜂蜜の甘味、濃厚な麦の旨味、奥から熟成感のある洋ナシなどのフルーツ、オークとほどよいタンニンが味を深める、リッチで長い余韻。文句をつけるところが無い。
【Very Good/Excellent】
オフィシャルのリミテッドエディションから,グレンバーギー1974,32年熟成。
バランタインのマスターブレンダーズセレクションと銘打たれたボトリングで,サンディーヒスロップさんのサインが入っています。
力強い香り立ちから,フルーツや紅茶,遅れて熟成香が湧いてきます。フローラルに加えて熟成年数のわりにしっかり残った麦感も良く,正統派のモルトウイスキーの香りがぷんぷんします。
飲んでみると,長熟らしく度数のわりに滑らかな口当たりからガツンと広がります。まずコクのある蜂蜜の甘味と麦の旨みが強く感じられ,香りもそうでしたが遅れて熟成感のあるフルーツ感が湧き上がってきます。オークのタンニンも味を深めており,全体にリッチで非常に美味しいです。
正直,わかりやすい飛び抜けた個性はなく,麦をベースにその周りを多彩な成分が彩っているようなイメージで,やや玄人向けのボトルな気がします。
ただ,各成分が麦を中心にハイレベルでバランスしており、まさに麦から作られた旨いウイスキーという感じで,こういう樽をバランタインのマスターブレンダーが特別なものとして選んだことは非常に興味深いです。
味付け感が全くなく、自然にできた素晴らしい樽の中身をそのまま飲んでいるというような感覚です。
現時点ですでに完成度は高いのですが,これで丸さと舌にしみ込むようなテクスチャーが加わったらさらに素晴らしいものになるという予感もあり,さらに麦感の陰に隠れたフルーツ感ももうちょっと前に出てきそうな予感もあり,瓶熟が楽しみなボトルでもあります。
そういえば,近年詰めのオフィシャルグレンリベットの特別な樽で素晴らしいものが多いという話を何度か書きましたが,熟成期間が異なるものの,樽の出方や味わいのバランスなど,このボトルとの共通をかなり多く感じました。
ペルノリカール系の偉い人が選ぶ樽の基準って近いものがあるんでしょうかね。
また余談ですが,突き抜けた個性が無いこともあって,私はこの系統のボトルが昔はピンときませんでした。
有楽町のマスターが大好きな系統なのですが,同系統のものを繰り返し旨いですよと言われながら飲んでいると,これが旨いウイスキーなのかという気持ちで飲むようになり,自然と旨く感じるようになりました。今では大好物です。(笑)
そういう嗜好の広がりや変化もあったなぁと,このボトルを飲んでふと思いました。
#グレンバーギー (GLENBURGIE) #考えたこと