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これまでのテイスティングノート34:グレンファークラス 40年 オフィシャル

 

グレンファークラス GLENFARCLAS 40yo OB 46%
2010年リリース

・香り:
カシス、プラム、カラメル、枝付きの干しブドウ、少しブランデー様でもある昔のシェリーのブドウ感、高貴な感じもある、少しレザーとハーブ、麦感はそれほどはっきりでてこない。

・味わい:
わりと高貴なシェリー感、甘酸っぱいプラムとブドウ、薄めのコーヒー、粘性はほどほど。シェリー感が強いのに甘さはべたっとしておらず、ほど良い酸味のためか甘酸っぱく上品な印象。ほど良い渋味もあり、シェリーカスクのモルトとしてのバランスがとにかく素晴らしい。ミディアムボディ。バランスの良い印象のままでなかなかに陶酔感のあるフルーティな余韻へ。

・加水:
全く崩れない。オールドっぽい高貴なシェリー感はむしろ強まる。

・総評:
古き良きシェリーカスクのモルトウイスキー。
とにかく甘味、酸味、渋味のバランスが素晴らしく、パンチはないが欠点が見当たらない優等生といった感じ。OBのヴァッティングと上手な加水によって作り出された味わいだと思う。

【Very Good】

OBの40年としては安価(といっても高いですが・・)で購入できます。
個人的にはここ数年のファミリーカスクの長熟モノは過熟でCPのイマイチなものが多い印象ですが、この40年は本当によくできたOBらしい素晴らしいボトルだと思います。オフィシャルで40年モノをこのように大規模に値段を抑えてリリースできるということからは、ファークラスの豊富なストックと懐の深さを感じます。

昔は良かったとばかり言うのは好きではないですし、最近のリリースでも美味しいものはたくさんあると思っていますが、ことシェリーカスクのモルトに関しては、昔の樽のものが明らかに美味しいと言わざるをえません。そういう昔のシェリーカスクのもので今買えるものは、GMを中心としたボトラーズのものが中心で、旨いですが過熟気味で渋味がかなり強いものが多く、濃厚なフルーティはあってもフルーツの甘酸っぱさを感じられるものは少ないと思います。

最近のリリースでもドロナックOBの1972なんかはすごい陶酔感もあり濃厚で力強く本当に素晴らしいと思いますが、シェリーカスクでも方向性が少し違い、渋味の無さ・甘酸っぱさ・バランスの良さを楽しむのであればこちらのファークラスOB40年だと思います。

OBで上手に加水された昔の正統派のシェリーカスクのものはもはや無いに等しいのではないでしょうか。私の知る限り、素晴らしい60年代のシェリー感をほとんど過熟感無く安心して堪能できるボトルで、今普通に流通しているものはこれくらいだと思います。安くはありませんが、まさに今のうちにストックしておくべきボトルだと思います。

〈2012/3/25 whiskylinkに公開〉

2012/9/20  追記:
やはり非常に上質な加水のシェリー感です。しかも安心して飲めるOBですね。
まだ市場には出回っているようです。

 

#グレンファークラス (GLENFARCLAS)

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