ベンネヴィスとしては驚きの正統派で,美味しくてびっくりしてしまいました。
ベンネヴィス BENNEVIS 1996-2013 17yo OB for ALAMBIC #1420of1996 50.2%
香りは驚きの華やかさ、グレープフルーツ、桃、紙やオイルや雑穀感はうっすら、リッチ、奥に素朴な麦感、飲むと穏やかな口当たりから力強く広がる、桃やパイナップル、オイル、濃いめの甘味、厚いボディ、淡く感じる草っぽいエグ味が厚みを出している、長く心地良い余韻。
【Very Good, Interesting】
ドイツのアランビック向けにボトリングされた,オフィシャルシングルカスクのベンネヴィス1996,17年熟成です。
スペックのわりに高額なのですが,飲む機会に恵まれました。
香りの第一印象から驚くほど華やかなフルーティで,グレープフルーツや桃がしっかりと感じられました。これらの一部はベンネヴィスにしばしば感じることもある要素なのですが,普段だと紙っぽさや雑穀感やオイリーさの裏から主張してくるのが,このボトルでは後者が控えめなために前面に感じられました。
飲んでも香り同様に非常にフルーティで,甘味も濃くボディも厚く,いつもなら引っかかるエグ味もわずかであるためにむしろポジティブに捉えられました。
ベンネヴィスは昔から自分の苦手な蒸留所で,余韻が心地良かったことなど今まであったでしょうか。(笑)
ベンネヴィスに魅力的な要素があるのには気づきつつも苦手要素とセットでしか出てこないものだと思っていました。
しかし今回,苦手要素だけを濾したように魅力的な成分だけがうまく解き放たれているようで,こんな樽もあるのかとかなり衝撃を受けました。
珍味も多いベンネヴィスとしては驚きの正統派で,ある意味正統派なのにInterestingといえるボトルでした。
確かにベンネヴィスにも最近いくつか紹介したように美味しいものが散見されるようになっていますが,これはその決定版ともいうべきボトルだと思います。
国内流通価格は25000円前後と高額ですしスペックだけ見て買うのには危険すぎますが,飲んでからであれば・・・,それでも高いなぁ。(笑)
#ベンネヴィス (BENNEVIS)