ピークの魅力を感じる素晴らしいダランでした。
グレンダラン GLENDULLAN 1965-1988 23yo CADENHEAD for MIZUHASHI 52.5%
香りは心地良いオールド感、こなれた素朴な麦感が強い、梅ジャムや淡くアプリコットティー、土っぽさ、淡く心地良い妖艶さのあるオールドピート。
飲むと優しい口当たりからジワジワと舌に染み込むテクスチャー、噛み応えのある麦の旨味、しっとりしたコクのある甘味、妖艶さがありオールドピートのある長い余韻。
【Very Good/Excellent】
1988年頃にケイデンヘッドが日本の株式会社水橋向けにボトリングしたグレンダラン1965,23年熟成です。
水橋のボトルを紹介するたびに書いているような気もしますが、この時代にカスクストレングスのボトルを日本向けに詰めた心意気は素晴らしいですね。
ボトリングから約30年、心地良いオールド感は帯びていますが劣化要素は感じません。
香りにおいて、まずは滋味深く美味しそうな麦感が主張し、そこから濃縮感のあるフルーツ要素が感じられました。
土っぽさや妖艶さを帯びた島モノと異なるオールドピートは、60年代以前に蒸留されボトリング後適度な経年変化を経たものに感じられることがありますが、このボトルにはことさらしっかりと感じられました。
飲むと、旨みが舌に染み込んでくるようなテクスチャーがあり、噛み応えも感じました。
しっとりとしたコクのある甘味と、やはり妖艶さを伴うオールドピートが魅力的で、樽も効きすぎていないためか飲み飽きもせず、滋味深い旨みを噛み締めるように堪能することができました。
家で開いていたら本当に次々と飲んでしまいそうです。
20年そこそこの熟成で、樽の効いていない素朴な原酒の味を生かしたような、この時期のケイデンヘッドらしいリリースではあります。
しかし、度数が比較的落ちていることと経年変化によるものなのか、思っていたよりはこなれた印象で、グリーンケイデンに多い玄人以外寄せ付けないような近寄りにくさは少ないタイプでした。
今がピークのような香味で非常に幸せいっぱいに飲みましたが、もっと長生きなボトルだと思っていたこともあり、同時に一抹の寂しさを感じてしまいました。
ただ、マスターに聞くとややネックの下がったボトルだったとのことで、コンディションが良ければ、やはりもっと長生きなボトルなのかもしれません。
#グレンダラン (GLENDULLAN)