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サマローリ氏のご逝去

イタリアのボトラー・サマローリ社を設立し、伝説的なボトルを数多く世に出してきたシルヴァーノ・サマローリ氏が先日お亡くなりになりました。

多くの熱烈なファンがいることでも知られていますが、私にとってもサマローリのボトルは特別でした。

改めて自分のブログ内検索でサマローリを調べてみると60本近い記事があり、感激したものには我ながら暑苦しいほど語ってますね。。

インタートレードやセスタンテ、ムーンインポートなどの往年のイタリアンボトラーズには色気のある素晴らしいボトルが多いのですが、そんな中でもサマローリのボトルには独特の存在感がありました。

特に80年代にボトリングされたものに顕著だと思うのですが、ボディと引き換えに出てくるような熟成感は望まず、酒としての厚みを十分に残したボトリングが多いと感じます。
そして、それにもかかわらず複雑さや妖艶さも持ち合わせているという、稀有なボトルがいくつもありました。

ボトリング後の経年変化でさらに魅力を増したのだろうと思われるものもあり、この時代にドリンカーでいられて本当に良かったとしみじみ思いながら飲んだことが今まで何度もありました。多くのボトルに忘れられないような思い出がいっぱいです。

各々のボトルに関して書き始めるときりがないくらいですが、話したいことは山ほどあるため、折を見てサマローリ愛好家で集まって故人を偲ぶ会を行いたいと思っています。

また、私も含め当時のボトリングに関する詳細などを知りたい熱烈なファンがたくさんいる一方で、ご自身は過去のリリースに関してわりと無頓着で、ボトルも手元に残しておらず記録も記憶も曖昧という、残念ですがどこか納得してしまうような一面も持ち合わせていらっしゃいました。

最近は、サマローリ社を離れて新会社「MASAM」を設立し、「NO AGE」と銘打ったボトルが日本にも入ってきたところでしたが、まさかそれが遺作になってしまうとは思いもしませんでした。

まだまだ素晴らしいリリースに期待していましたし、いつかお会いしたい偉人の最上位にいた方でしたので、非常に残念です。

急な訃報でしたので、家で飲むことのできたこのボトルで献杯しました。


グレングラント GLENGRANT 1969-1984 SAMAROLI 59%

やはり圧倒的な存在感のある美味しさでした。



今まで素晴らしい感動をありがとうございました。

どうか安らかにお休みください。

 

#考えたこと

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