ハイランドモルトのひとつの究極系ともいえる素晴らしいボトルです。
グレンオード GLENORD 16yo OB The Manager's Dram 66.2%
bottled in 1991
香りはパワフルに刺激的に抜ける、中心にズドンと太い旨そうな麦感、滋味深い、脇を固めるように梅やアプリコットジャム、蜂蜜、プレーンな樽感、淡くミントなどハーブ、淡いピート。
飲むとスパイシーで刺激もあるが粘性もあり、芳醇で強烈に膨らむ、濃縮感があって噛み応えあり、舌に染み込むようなテクスチャー、強烈な麦の旨味、梅とアプリコットジャム、強いコクのある蜂蜜系の甘味、樽はキツくなくクリア、うっすらと無骨なピート、余韻は長い。
【Very Good/Excellent】
1991にボトリングされたグレンオード16年、オフィシャルのマネージャーズドラムです。
この通称マネドラは一般販売はしておらず、関係者に配られたボトルなのですが、一般市場に流れるものも結構あり、このオードはかなりの有名ボトルです。
1991年ボトリングで16年ですから、1975くらいのヴィンテージと思われます。
かなりのハイプルーフで、香りの第一印象は刺激的なのですが、とにかく太く滋味深い麦感が中心にあり、その脇を固めるように梅やアプリコットジャムなどのフルーツ要素、さらにその周囲にハーブやピートなどが見え隠れする感じです。
また樽感はあまり強くなく、結構プレーンな樽での熟成と思われます。
飲んでもやはりスパイシーな刺激があるのですが、オードらしい粘性や舌に染み込むような経年変化によるテクスチャーも帯びており、口の中で強烈に芳醇な膨らみを見せます。旨い麦を噛んでいるような濃縮感のある旨みが素晴らしいです。
香り同様のらしいフルーツ感やコク深い甘味も魅力的で、最後には淡いピートも感じました。
味付け感や熟成によるフルーティな変化はあまり感じないものの、素朴で太い麦感に唸らされてしまうという、無骨なハイランドモルトのひとつの究極系ともいえる香味で、その一点ですさまじく突き抜けています。
口に含んだ直後のスパイシーなところから長い余韻の最後まで、飲み手に対してめまぐるしく変化しながら強い印象を与えてくるところも非常に魅力的だと感じましたが、このボトルの場合、実際は酒が変化しているというより酒のポテンシャルに舌が追い付いてくるという感覚のほうが正しいかもしれません。
妖艶さや複雑さにおいては、伝説といわれるブーケや水橋のようなボトルにはかないませんが、芯の部分の強さという意味では他を寄せ付けないすごい力を持ったボトルです。
#グレンオード (GLENORD)