スケール感もある、近年の素晴らしいシェリーカスクウイスキーです。
グレンリベット GLENLIVET 24yo OB Hand-Filled #1 60.9%
Bottled in 2016, Sherry Cask
香りは陶酔感を帯び始めた深いシェリー感、プラムやアプリコットのジャム、オレンジリキュール、熟成の長い梅酒、少しクリームの入った高級なチョコレート、ハーブ、少し蜂蜜、じわりとこなれた麦感、複雑でリッチ。
飲むとじわじわとパワフルかつ芳醇に広がる、スケール感のある深い味わい、優しく全体を包む心地よいシェリー感、プラムやオレンジリキュールのコクのある甘味、心地よいウッディネスとその渋味、噛み応えのある麦の旨味、淡いハーブ、リッチで余韻は長い。
【Very Good】
グレンリベット蒸留所で詰めることのできるハンドフィルド、今年5月の旅で購入した24年熟成、逆算すると1992くらいの蒸留です。
記載はありませんがこれはシェリーカスクで、バーボンカスクのものと2種類が売られていました。
ちなみに、ハンドフィルドといいつつもすでにボトリングされたものにラベルを記載して貼るという形でした。詰める行程から始めると時間が掛かりすぎるからでしょうか。
結構な高額ボトルだったのですが、試飲して驚きの美味しさだったので思い切って私も購入したものです。
通称蒸留所マジックで、こっちで飲んでみたらそうでもないというパターンは結構あるのですが、このボトルは裏切りませんでした。
香りには支配的でない程度に全体を覆う素敵なシェリー感があり、フルーツ感は多彩です。高級チョコレートのようなニュアンスに加えて麦感もほどよく残っており、まだ固さはありますがすでに陶酔感があります。
飲んでも初々しい硬さがありますが、それでも力強く芳醇な広がりがあって深い味わいです。フルーティでコクのある甘味と心地良い渋味、それに麦の旨味もあってとても美味しかったです。
昔の高貴なシェリーとは異なりますが、酒質も樽感もすべてが高次元というか、上っ面の味付け感はなく何とも言えないスケール感を感じるボトルで、このスケール感が具体的な言葉にできないのが非常に歯がゆいです。
瓶内で寝かせてこなれてきたら、必ずVG/Eかヘタするとそれ以上になることがわかるような何とも言えない大器を感じるボトルだと感じました。
野球選手で例えるなら1年目の松井秀喜でしょうか。現時点でも美味しいですが、本格化が楽しみです。
余談ですが、こういうボトルが自分のストックにあるのは、伝説級のオールドボトルがあるのとはまた違った嬉しさがありますね。
#グレンリベット (GLENLIVET)