自分史上でも上位に来そうなすさまじく突き抜けたスプリングバンクでした。
スプリングバンク SPRINGBANK 1967-1981 13yo OB for Italy #1967/3130 58.9%
香りはパワフルなオールドシェリー、ベリーやプラムのジャム、黒糖、カラメル、スミレ、ミント、こなれた感もある分厚い麦感、レザー、腐葉土、ブーケガルニ、コーヒー、苦い薬草酒、下支えするオールドピート、圧倒的で最初近寄りづらいがゆっくりと打ち解けてきて複雑な香りが次々と湧いてくる。
飲むと非常にパワフルかつ芳醇に広がる、オールドシェリー、濃厚なベリージャム、滴るような果汁感もある、ミント、ハーブの効いた薬草酒、噛み応えのあるテクスチャー、滋味深く濃い麦の旨味、ベリージャムの濃い甘味、引き締めるタンニンの渋味、強い腐葉土のアーシーとオールドピート、なめし皮、長い長い陶酔感のある余韻。
【Excellent】
1981年にイタリア向けにカスクストレングスでボトリングされた、オフィシャルシングルカスクのスプリングバンク1967です。
肩ラベルには10年表記がありますが、ラベルには蒸留日(1967/11/31)とボトリング日(1981/11/6)が記載されており、ほぼ14年熟成です。
そういう雑なところも愛すべき蒸留所です。(笑)
普段から読んでくださっている方はお気付きの通り、普段より明らかにたくさんの要素を拾って書いてしまいました。
テイスティングが楽しくて仕方のないボトルで、香りも味わいも次々と湧き上がってきます。そしてそれぞれが主な特徴といえるほどしっかりと主張し、さらにそれらが高次元で複雑にバランスしているようで、どれもスルーできなかったのです。
この文もこのまま延々と書けそうなのですが、スコットランド渡航直前で時間も限られてますし、何より言いたいことが多くてうまくまとまらない気がしますので、例外的ではありますがテイスティングしながら書いた箇条書きをそのまま掲載します。
・陶酔感のあるオールドシェリーだがGMの高貴なニュアンスとは異なり、黒糖や濃縮ベリージャムのようなニュアンスが強いシェリー感である。
・熟成が長すぎずウッディネスや苦みがほどよいところにおさまっている。
・短熟のおかげで太い麦感がしっかりと残っている。
・大地を感じるようなアーシーさやオールドピート、レザー感、ハーブなど味を深める要素が次々に出てくる。
・それらが一体感を持ちつつも主張し合い高次元でバランスしている。
・サマローリ向けの12年ハイプルーフに似ている。
・パワフルで有無を言わせぬ美味しさにねじ伏せられるようだが、それなのにエレガントさを併せ持つ。
・文句のつけようがない
・今年のベストはこれに決まりかもしれない。
いやはや、すごいものを飲んでしまいました。
#スプリングバンク (SPRINGBANK)