ボトリング当時どんな味だったのか非常に興味のあるボトルでした。
グレンロセス GLENROTHES 1989-2001 OB 43%
香りは重めのシェリー、チョコレートがけのドライオレンジ、プラムのジャム、奥から広がってくる麦感、レザー、少しクリーミーでアーシー、リッチ。
飲むと度数より力強く広がる、優しい粘性あり、良いシェリー感、マーマレード、チョコレート、ハーブ、クリーミーでコクもある甘味、淡い渋味が味を深める、厚みも感じる長めの心地良い余韻。
【Good/Very Good】
2001年にボトリングされたグレンロセス1989、およそ12年の熟成です。
シェリーの効いたロセスで、シェリーカスクらしい多彩なフルーツ、チョコレートやジャムといったニュアンスに加えてしっかりと残っていて広がってくる麦感、そしてロセスらしいクリーミーさもあるリッチな香りでした。
飲んでみても香り同様に多彩で良いシェリー感があり、コクのある甘味と良い渋味のバランスも良く深みすら感じました。
度数以上にパワフルで厚みも感じたのも印象的でしたね。
このボトルが流通していた時期は、私もそこそこモルトを飲んでいたはずですが、ニューリリースの短熟シェリーが美味しいと思ったことは正直あまりありませんでした。
そもそも当時、短熟シェリーはオールドボトルしか美味しくないと思っていましたし、恥ずかしい話ですが80年代のシェリーなんてサルファリーばっかりだとハナからバカにしていたような気もします。
このボトルがニューリリースの時にどんな香味だったのか非常に興味がありますが、恐らくはそこまで美味しくは無かったのではないかと想像します。
サルファリー要素、短熟からくるアルコール感、樽と原酒の一体感のなさなどが気になったかもしれません。
今は少しトロッとしたテクスチャーも帯びており、ニューリリースにはあまりない一体感もあります。きっと美味しくなったんだと思います。
最近、こういう10~15年くらい前のボトリングのシェリーカスクが美味しいと思うことが増えてきましたが、これは特に印象的な1本でした。
60年代のシェリーカスクほど突き抜けてくるとはさすがに思っていませんが、最近は80~90年代蒸留のシェリーカスクでもドキドキするような美味しいものが出てきても不思議はないと思えるようになっています。
#グレンロセス (GLENROTHES)