自分の中での昔のスプリングバンクのスタンダードってこういうイメージです。
スプリングバンク SPRINGBANK OB non-vintage non-age ceramic jag 43%
・香り：
華やかで多彩なフルーティ，桃や洋ナシ，白ワインのブドウ感，フリーズドライのイチゴに加えて淡くイチゴジャム，奥から熟したアプリコット，黄色い花のフローラル，草っぽい植物感もしっかり主張，こなれた麦感，奥にピート，時間と共にどんどん良くなり陶酔感もある。
・味わい：
若干枯れて水のようになった柔らかい口当たり，白ワインやフリーズドライのイチゴをメインとした香り同様の多彩なフルーツ，草っぽさはやや強く少しエグ味も伴うが深みにもなっている，上品な甘味とフルーティな酸味，塩っぽいイチゴ大福，心地良い麦感がしっかり，奥からピートとタール，少し枯れているがボディは保たれている。
・余韻：
フルーティで華やかな香味と良い麦感がピートを伴って感じられる余韻。長くはないが心地良い。
・加水：
そのまま薄まる。多めの加水には耐えられない。
・総評：
イチゴ感やブリニーさを含め，昔のスプリングバンクのスタンダードな特徴が加水のノンエイジとはいえ強く感じられる1本。
経年変化でボディはやや枯れた感も否めないが，酒の芯になるコシは保たれている。
時間と共にどんどん華やぐのも印象的だった。
【Very Good】
70年代流通と思われるスプリングバンクのオフィシャル陶器瓶で，これはノンエイジのものです。
飲む機会が多く記憶に深く刻み込まれているためか，オバルと並んで自分の昔のスプリングバンクのイメージのベースになっているボトルのひとつです。
スプリングバンクはドリンカーごとに想い入れもあり，そのためか捉え方が違う蒸留所というイメージがあります。
私の個人的な感覚では，今回のもののようなタイプ＝フリーズドライのイチゴやブリニーさが前面に出たタイプがまさに昔のスタンダードなスプリングバンクという捉え方で，共通点はあるものの，プレーンで植物っぽいものやバリシェリーのものやイチゴジャム感がしっかり感じられるものとは別枠で捉えていたようです。
今回のボトルを飲みながら仲間とも話して，自己分析してみると無意識にそうなっていたことに気づきました。
ただ，よくよく分析してみると，同時期のボトルでもプレーンな樽で草っぽさとブリニーさが強いものも散見され，これにイチゴジャムを強く感じるシェリー系の樽をヴァッティングすると，今回のボトルのようなタイプになるような気もします。
なかなか納得できるほどの理解には至らないでしょうが，これから改めて再認識するつもりで飲み進めていこうと思いました。
#スプリングバンク (SPRINGBANK)