シェリーの満足感と原酒由来の複雑さを両方感じられるファークラスでした。
グレンファークラス GLENFARCLAS 1990-2015 OB for THE WHIKSY HOOP #7089 51.5%
香りはほど良いシェリー感、穏やかなベリー感とアプリコットティー、黒糖、アメリカンコーヒー、チョコレートケーキ、少しミント、しっかりめの麦感、ハーブ、少し腐葉土っぽいアーシー、リッチ。
飲むと穏やかな口当たりから芳醇に広がる、全体を覆うシェリー感、ブドウ感あり、ジャムやハーブリキュールを思わせるコクのある甘味と心地よい渋味、麦の旨味もありバランスが良い、舌に一層付着して残るような長い余韻。
【Very Good】
ウイスキーフープで11月末に頒布された，オフィシャルのグレンファークラス1990，およそ25年の熟成です。
吉村宗之さんがデザインされたラベルはオフィシャルのクリスマスモルトの仕様になっており，テンションがかなり上がります。
香りにも味わいにも良いシェリーが効いており，ジャムや黒糖，ハーブ，アーシーさやミントといった要素が感じられるのと同時に，こなれた麦感も感じられます。
飲んでみると，口当たりからの広がりがあり，複雑な味わいが次々と展開していく楽しさがあり，甘味と渋味や良い麦感とその旨味などのバランスも良く，まとわりつくような長い余韻まで，濃い味なのに引っかかるところがありません。
突き抜けたわかりやすい個性があるわけではありませんが，非常に美味しいシェリーカスクのモルトです。
最近のリリースでシェリー感と麦感が共に主張する者の多くは，比較的短熟で，若い麦感と味付け感のあるシェリーというパターンが多く，それはそれで悪くは無いのですが，今回のもののようにナチュラルに両方がこなれて感じられるというのはやはり飲み心地がよく，こういうものはなかなかありません。
チョコレートケーキのようなニュアンスもあり，今年のクリスマスに飲むモルトはこれに決まりです。
仲良くさせていただいている方々が中心にやっているボトラーなので，評価は普段以上に甘くならないようにしているつもりですが，個人的には，TWHで全員に頒布されたものの中では最初の傑作と言える仕上がりだと思います。
#グレンファークラス (GLENFARCLAS)