間違いないスペックですが間違いない内容でした。
アードベッグ ARDBEG 1974-2001 26yo DOUGLAS LAING Old Malt Cask 50%
one of 252 bottles
香りはしっとりしたニュアンス、シトラスやバニラ、強い金属感、塩素と消毒液、クレゾール、スモーク、腐葉土、クールで鋭い印象。
飲むとじわじわとスパイシーに広がる、熟しすぎたシトラス、ドライ、甘味は控えめ、ほどよい酸味と強めのミネラル感と塩気、魚介の燻製、キレがあるのにオイリーでスモーキーな長い余韻。
【Very Good】
ダグラスレインのOMCからアードベッグ1974,26年熟成です。
70年代,それも前半のアードベッグは非常に貴重で,74と言えばサマローリやプロヴナンスなんかもあるヴィンテージです。
このボトルも期待通りで70年代アードベッグのスタイルを強く感じる素晴らしいボトルで,全体にはクールで鋭い印象です。
柑橘や金属感,塩素や消毒液,クレゾール,そしてスモーク有意のピート感,これらが香りからも味わいからも十分に感じられます。
甘味は強くなくドライでキレがあり,ミネラリーでブリニーな味も興味深く,厚みを強く感じるタイプではなくキレもあるのに非常に余韻が長いという,この辺のアードベッグ特有だと思う違和感を感じるような特徴もしっかりありました。
特徴的な成分の主張が強いためか,加水でボトリング後14年程度経過していますがオールド感はあまり顕著ではありませんでした。
そういえば私にはOMCのアードベッグを飲むたびに思い出すことがあります。
私がこんなに幅広くモルトを飲んでいなかった頃で相当前の話ですが,まだ狭かった旧々スコ文研の事務所で飲んでいた時に,参加者のひとりがOMCのアードベッグの60年代蒸留のものを持ってきておりそれを振る舞ってくれました。
私にとって未知のお酒だったということもあり,大感激するかと思いきや,いまいちピンときませんでした。
その時,感想を聞かれて,経験不足でよくわからないとは言えず,枯れてる感じがしてあんまり私の好みじゃないですねと言ってしまったことが,未だに恥ずかしく思い出されます。
持ってきてくれた方にも失礼ですし,何より単に自分がまだ未熟だということを認められず,素晴らしさを理解できていないのではないかと思えなかったことが情けないです。
恐らく今飲んだら魅力的な要素をいくつも見つけられるのではないかと思います。
たくさん飲んだ今の方が,自分の未熟さを実感でき,未知のものへの貪欲さが増しているというのは面白いことです。
#アードベッグ (ARDBEG)