期待通りの素晴しいボトルでした。
ロングモーン LONGMORN 1964-1996 31yo KINGSBURY #52 59.0%
EX-SHERRY CASK
香りは華やかで迫ってくるように強く広がる,第一印象から陶酔感あり,ナチュラルでみずみずしいライチやグァバ,淡くパイナップル,フレープフルーツ,白桃,白ブドウ,高級なダージリン,清々しいミント,奥から控えめながら素朴な麦感,上品なオーク,少し蟹のお吸い物のようなダシ感,淡く干し草を燻したようなスモーク,素晴らしい香り。
飲むと滑らかな口当たりから芳醇に力強く広がる,香り同様の多彩でジューシーなフルーツ,濃縮果汁,特に白ブドウ感が強い,パフューム一歩手前のセクシーなフローラル,フルーツ果汁の甘味と酸味,下支えする淡い麦感とほど良いオークが厚みを出している,淡くダシっぽい旨味とピート,強い陶酔感のある長い余韻。
【Very Good/Excellent】
キングスバリーが1996年にボトリングした,ロングモーン1964,31年熟成です。
モルト仲間のガースーさんにわけていただいたサンプルです。
最初グラスに注ぎたては少々こもった印象で,絶対に開いてくるという確信のもと15分ほど様子を見たところ,上記のように華やかに開いてきました。
のっけから陶酔感を感じる香りで,とにかくジューシーで多彩なフルーツ感がぐいぐいと力強く広がっていきます。ケミカル感や作為的なニュアンスの無いナチュラルなトロピカル感がしっかりと主張してきたのが非常に好印象でした。
ミントっぽさや紅茶のニュアンスも強く,麦感やピートのニュアンスも残っており,とにかく素晴らしく陶酔してしまいました。
飲んでも香りの期待を裏切らない強く多彩なフルーツ感がありました。人によっては香水系のパフューミーと認識するかもしれないニュアンスはあるのですが,私の感覚ではセクシーな付加要素という認識でした。
1968ヴィンテージの,リンブルグウイスキーフェア向けの1968にも似たニュアンスがありましたが,これも私は好きでした。
味わいにおいても非常にジューシーな果汁感が突き抜けたロングモーンで,ここまでフルーティなのにケミカルさや作為的なニュアンスを全く感じないというのは素晴らしく稀有なボトルだと思います。
度数があるためか力強さもあり,熟成期間は長いですがオークの主張もほど良く,バランスを保ちながら深みもありました。
ほとんど文句のつけようのない突き抜けたロングモーンで,自宅で陶酔しながら素晴らしい時間をすごさせていただきました。
ガースーさん,本当にありがとうございました。
余談になりますが,このボトル,数年前に有楽町で飲んで,やはり素晴らしい香味でした。
ところが,同じくガースーさんが少し前に開栓した同じボトルが,私も飲みましたが非常にソーピーで,石鹸をかじっているようで飲むのが困難なほどキツいものでした。
まだ同じボトルを持っていてめげずにリベンジでもう1本開けたのもすごいですが,今回のものは素晴らしいものでした。
ソーピーさは微塵も感じず,こないだのボトルはいったいなんだったんだろうという感じでした。
ナチュラルでジューシー,こんな突き抜けたボトルにはなかなか巡り会えません。
#ロングモーン (LONGMORN)