2006年9月24日に開催された時のテイスティングノートを紹介します。筆者は山崎白秋さんです。
モルトの会、テイスティングノート
2006.09.24 スタンドバーにて
今月のお題は、「グレンバーギ」である。
バランタインのキーモルトとして有名な蒸留所であるが、シングルカスクとなると、なかなかお目にかかれないモルトのひとつといえよう。
5本のノージングを終えての印象は、先月のダラスデューと同じくウッディーで渋さ、深みがあり、インバネス近くのモルトではないかと感じた。当たらずとも遠からずのロケーションではある。
今回は、あの土屋守シリーズの23年が出されたが、そうそうたるモルトのなかでも一際光っていたモルトであった。
さて、今回の5本を紹介しよう。
***[NO.1]シグナトリー グレンバーギ 1975-2002 26年 53.7% ***
(香り)トップノートはミントでフルーティー、桃系の香り。しばらくするとスイートでエステリーな香が開いてくる。
(味)香りには無かった樽の香りが口にひろがる、さらに渋みを感じ長熟を予感させる。甘味も強いが上質に感じる甘味である。
***[NO.2]キングスバリー ハンドライティング グレンバーギ 23年 54.4% ***
(香り)ツンと硬質な香り、焼けて酸化した印象。やや麦芽風味を感じる。しだいに香りは開いてきて、ミントの香りに満たされる。奥には、さつまいもの皮の香りがある。
(味)まず若さを感じる、さらに甘い含み香がひろがってくる。単調なあじわいでアルコール感が強い。熟成年数からすると物足りない。
***[NO.3]アランジャパン 土屋守シリーズ グレンバーギ 1975-1999 23年 56.7% ***
(香り)エステリーで熟成感がすばらしい。さまざまなフルーツが次々とあらわれる。さらにウッディーな香りがグラスからどんどん湧き出てくる。
酸味もほどよく感じられ、エステリー感とバランスする。香りだけでも満足してしまうモルトである。
(味) 樽由来の含み香がすばらしい。ぴりぴりとする酸味がこのモルトをシャープな印象としている。
しだいにすばらしい渋みがひろがり、長熟であることを主張してくる。フルーティーでやさしい甘味もあり、まろやかさも兼ね備えている。
***[NO.4]ケイデンヘッド グレンバーギ 1993-2004 11年 59.8% ***
(香り)ツンと硬質な香り、酸化して焼けた香り。エステリー香りがなく、アルコール感が強い。しだいに香りは立ってきて、キャラメル香が感じられるようになる。
(味)やはり若さが強く感じられる、アルコール感も強い。熟成不足で硬い味わいである。グレーンウイスキーの印象もある。
***[NO.5]SMWS 71.31 グレンバーギ 1985-2005 20年 60.6% ***
(香り)エステリーかつエステリー、フルーツ香も申し分ない。有機溶剤のMEK系の香りがすばらしい。奥に麦芽風味、若さを感じるものではなくトースティーなもの。
しばらくするとキャラメル香やバニラ香りも立ってくる。バーボン樽熟成であろうか。
(味)ウッディーな味がすばらしい、甘味が少ないがビッグボディ。さらにドライであるが複雑な味わい。たいへん出来の良いモルトである。
#Tasting Note