MENU

コニサーズクラブ(09/2/28)テーマ「ノースポート」

ノースポート(090228)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

 今月のお題は、「ノースポート」である。

 東ハイランドの蒸留所のひとつであり、もちろん閉鎖蒸留所である。東ハイランドのモルトといえば、これといった特徴がなくハウススタイルも曖昧な印象が拭えず、そのためか閉鎖されている蒸留所も少なくない。

 ノースポートもそんな無個性の蒸留所のひとつと考えていた。今回テイスティングをして、印象をくつがえすようなことはなかったが、モルトの出来は悪くない。いやむしろ通好みの渋いモルトといってよい。こんなモルトが出来るのであるから、取り壊されたのは残念でならない。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] スコッツセレクション ノースポート 1980-2004 58% ***

(香り) ドライでシャープ、香りの立ちが遅い。香りがひらいてくるとフルーツが多数あらわれる。軽いピートが感じられるがすぐに消えてしまう。しばらくすると酸味と甘みが広がるようになる。

(味)  フルーティーかつ熟成を感じるあじわい。ウッディで軽い酸味をともなう。味の数は少なくはないが、どれも弱いものだ。

*** [No.2] ダンカンテイラー ノースポート オーク 1981-2005 cask no.774 188/620 24年 58% ***

(香り) ややひねたトップノート。すぐにエレガントに変身する、繊細な香りだ。しだいに軽くはあるがトロピカルフルーツの香りが立ってくる。さらに時間をおけば、軽いキャラメル香とジンジャエールの香りがあらわれる。

(味)  ややアルコール感が強い。フルーティーかつ熟成由来のウッディーな含み香が素晴らしい。

*** [No.3] シグナトリー ノースポート 1976-2006 cask no.3886 157/222 29年 58.2% ***

(香り) エレガントでさわやか。上品な熟成感、ただし軽いものである。酸味と甘い香りがバランスしている。奥には上質な木の香りも感じられる。

(味)  枯れた、絶妙のピート。わずかだが熟成由来のウッディーな含み香。じっくりと呑み直してみたい酒である。

*** [No.4] マキロップチョイス ノースポート 1976-2001 58.6% ***

(香り) ややひねたトップノート。しばらくすると枯れた熟成香が立ってくる。さらに時間を経ればトロピカルフルーツが現れる。香りの数が多く、長い時間楽しんでいられる。

(味)  まず、ひねた香りを感じるが、すぐに爽やかなフルーツにかき消される。ライチの香りが特徴的だ。さらに熟成由来のウッディーな味わいが広がる。

*** [No.5] レアモルト 1974-2006 32年 49.4% ***

(香り) 弱いトロピカルフルーツのトップノート。フルーツは上質で、いつまでも香りで楽しんでいられる。

(味)  酸味と軽いにがみ。1960年代後半に蒸留されたモルトによくある苦味だ。しだいに熟成感が現れ深みが増すが、フルーツ感も悪くない。


★モルト価格ランキング★
(ミラーサイト)Wikiモルトウイスキーカタログ
 ネットショップで手に入るモルトウイスキーを価格順にリストしました。

#Tasting Note

この記事を書いた人