山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
今月のお題は、「ノースポート」である。
東ハイランドの蒸留所のひとつであり、もちろん閉鎖蒸留所である。東ハイランドのモルトといえば、これといった特徴がなくハウススタイルも曖昧な印象が拭えず、そのためか閉鎖されている蒸留所も少なくない。
ノースポートもそんな無個性の蒸留所のひとつと考えていた。今回テイスティングをして、印象をくつがえすようなことはなかったが、モルトの出来は悪くない。いやむしろ通好みの渋いモルトといってよい。こんなモルトが出来るのであるから、取り壊されたのは残念でならない。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] スコッツセレクション ノースポート 1980-2004 58% ***
(香り) ドライでシャープ、香りの立ちが遅い。香りがひらいてくるとフルーツが多数あらわれる。軽いピートが感じられるがすぐに消えてしまう。しばらくすると酸味と甘みが広がるようになる。
(味) フルーティーかつ熟成を感じるあじわい。ウッディで軽い酸味をともなう。味の数は少なくはないが、どれも弱いものだ。
*** [No.2] ダンカンテイラー ノースポート オーク 1981-2005 cask no.774 188/620 24年 58% ***
(香り) ややひねたトップノート。すぐにエレガントに変身する、繊細な香りだ。しだいに軽くはあるがトロピカルフルーツの香りが立ってくる。さらに時間をおけば、軽いキャラメル香とジンジャエールの香りがあらわれる。
(味) ややアルコール感が強い。フルーティーかつ熟成由来のウッディーな含み香が素晴らしい。
*** [No.3] シグナトリー ノースポート 1976-2006 cask no.3886 157/222 29年 58.2% ***
(香り) エレガントでさわやか。上品な熟成感、ただし軽いものである。酸味と甘い香りがバランスしている。奥には上質な木の香りも感じられる。
(味) 枯れた、絶妙のピート。わずかだが熟成由来のウッディーな含み香。じっくりと呑み直してみたい酒である。
*** [No.4] マキロップチョイス ノースポート 1976-2001 58.6% ***
(香り) ややひねたトップノート。しばらくすると枯れた熟成香が立ってくる。さらに時間を経ればトロピカルフルーツが現れる。香りの数が多く、長い時間楽しんでいられる。
(味) まず、ひねた香りを感じるが、すぐに爽やかなフルーツにかき消される。ライチの香りが特徴的だ。さらに熟成由来のウッディーな味わいが広がる。
*** [No.5] レアモルト 1974-2006 32年 49.4% ***
(香り) 弱いトロピカルフルーツのトップノート。フルーツは上質で、いつまでも香りで楽しんでいられる。
(味) 酸味と軽いにがみ。1960年代後半に蒸留されたモルトによくある苦味だ。しだいに熟成感が現れ深みが増すが、フルーツ感も悪くない。
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#Tasting Note