こんばんは。
銭湯や温泉にたまに置いてある、リンスインシャンプーを使う度に…。
「ごめんな、俺みたいなリンス必要ないヤツが使って(笑)」
とシャンプーの中に否応なく入れられているリンスさんに対し、心の中で謝ってしまう酒井です。
そしてその後に、「だって分けられへんねんもん」といつも一人勝手に言い訳しています。
先日行った有馬温泉で、またそう思っている自分が少し可笑しくなってきましたヾ(´ε`*)
ま、たまにシャンプーすらいらんやんって言われますけどね♪
そです。私は丸坊主♪
…さてさて本日は風呂あがりにでも気軽にさくっと読めるウィスキーのエッセイのご紹介。
こちら。
『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』/村上春樹/新潮文庫
村上春樹の、スコットランドはアイラ島とアイルランドでのウィスキーにまつわるエッセイ。もうすでに読まれた方も多いと思います。
半分くらい写真でページ数も少ないので、30分ほどで読めてしまいます。
しかしその短い言葉と何枚かの写真がウィスキーの魅力を存分に語ってくれています。
数少ない私が行きたいと思う外国、スコットランドはアイラ島。いつも空は曇り、風が吹き荒れ、海岸では荒い波が打ち寄せる。そこで私を魅了する琥珀色の液体が作られています。
その島の人々のごくごく自然に、誇りを持ってウィスキー造りに携わる姿勢を見ていると。
私達にはあまりに豊かで様々な選択肢が与えられ過ぎていて、その選択肢の海で息がつまり、方向を見失い、苦しんでいるのでは…。
アイラのウィスキー職人のような、それが全てになりうるものがあり、それに誇りを持って携わることに何の疑問にも思わないような生き方というのは非常にシンプルで幸せなのかも…なんて思えてしまいます。
「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」…
ああ、何て素敵な仮定なんでしょう。
私は黙ってウィスキーを差し出し、あなたはそれを受け取って静かに喉に放り込む。
それだけでいいのです。
私が何を感じているのかあなたに分かり、あなたが何を感じているのか私に分かるのです。
…ことばとしてのウィスキーを丁寧に正確に優しく操れるバーテンダーでありたいなと思います。
「残念ながら、僕らはことばがことばであり、ことばしかない世界に住んでいる。でも例外的に、ほんのわずかな幸福の瞬間に、ぼくらのことばは本当にウィスキーになることがある。そして僕はいつもそのような瞬間を夢見て生きているんだ。」-著者
そういう瞬間を私の店で味わっていただけたなら、心ゆくまでその幸福に身を委ねることができる空間が私がカウンターに立つ酒場であったなら。
バーテンダーとしてこれ以上の幸せはありませんね♪
…ウィスキーに興味がない方でも、きっと興味を持っていただけるであろうこの1冊、機会がありましたらぜひご一読を♪