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勝手に言わせてもらえば・・・

新年が明けて・・世間様は今日から新年初出勤って人が多いみたいです。
長い休みの後ですので「リハビリ」不足のままの初仕事ですが・・頑張ってください。

一人のお客さんと去年の7月に山崎蒸留所に行った時に飲ませてもらった「麦汁」の話しで盛り上がって、その熱が冷めないまま一人ぼっちになったので・・・・

その名も「糖化」(マッシング)工程です。

「製麦工程」で出来上がった「麦芽」を綺麗(ごみ等を取る)にして粉砕するこれを「グリスト」と言い各蒸留所は粉砕比率なども3種類ぐらいに分けて使い分ける。
細かい順から「フラワー」「グリッツ」「ハスク」と言う具合に・・・

これは仕込みにかなりの影響を及ぼす。。細かすぎるとろ過が難しくなり、荒すぎるとデンプン収率が悪くなる。大体は1:7:2のようです。
粉砕は「モルトミル」と呼ばれる2本のローラーが反対方向に回っているものが2組ある機械でします。

粉砕が終了した「グリスト」は混合機から温水(前回の残り湯)と共にマッシュタン(糖化槽)に送り込まれます。

マッシュタンの構造はいたってシンプルで、円形の容器(ステンレス、銅製)底には網目の濾過板が付います。これは最後下に麦粕が溜まり濾紙の役目をし下から濾過液を抽出するためです。
中心から左右にかけては攪拌機が付けられ回転する事によってマッシュの攪拌に使います。

蒸留所は「仕込み水」には自前の水源である事を強く説明しますね。。加水時にもそれは言います。
しかしながら、ある程度の精製は施していると自分は思ってます。。そこには微生物の関係もあり衛生上のこともあるから。

さあ・・いよいよマッシングですが、ここでは一般的な「スリー・ウォーター・システム」で紹介します。
粉砕されたグリストは温水と混合する事で発芽酵素が活発になりデンプン質をアミノ酸や糖分に変わります。
この時の1回目の温水は約64℃くらいで調整します。一番、酵素が働く温度だからです。
割合は投入されたグリストの約4倍の仕込み水を入れます。この時の水は前の仕込みの最後のお湯を使います。
そのまま、約30分程、放置プレイをされ、下から抜かれる。抜かれた麦汁はレシーバーに貯められます。
残ったグリストにはまだまだ糖分が残っているので混合機の下のところに付いているシャワーから約70℃~75℃の1回目より熱いお湯が入れられます。
温水の量は1回目の約半分です。又、放置後、レシーバーに入れられ、最初の温水と混合される。(1番麦汁と2番麦汁)
残ったグリストにはまだ、少しの糖分がとれるので1回目と同じ量の温水を入れます。この時の温度は沸点近しのアツアツです。
この温水が64℃くらいまで冷却されて次の仕込みの1回目の温水になります。

この時に大事なのが「麦汁の清澄度」です。今まではあまり気にされなかったんですが清澄麦汁をとる事でエステリー類をふんだんに抽出する事が分かってきました。
これは濁りの原因になっている麦芽のたんぱく質等の脂肪酸がエステル類等の生成を邪魔してるらしい。
この間、サントリーさんの白州の初代工場長の嶋谷さんに聞いたところサントリーは早くからこの事には気を付けてたらしいです。
しかしながら、「タリスカーのセミナー」で質問すると「そんな事は考えていない。濁っているのも旨さの要因だ。」と言っていました。

清澄麦汁についてはもう少し勉強する必要があるみたいです。

   
山崎蒸留所の糖化槽です。

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