大体は「酵母」と一口に言ってしまうが、そもそも「酵母」って??
まぁ・・ビール酵母では下面発酵酵母(ラガー酵母)と上面発酵酵母(エール酵母)は有名だが・・・・・その前にビールは常に野生酵母との戦いでもある。
野生酵母とは空気中に浮遊するものや土や植物といった所に存在する酵母であり、その醸造に不必要な酵母の事の総称なのだが、それ以外にも「バクテリア」などの汚染の危険にもさらされる。
醸造酒は蒸留工程が無いのと、乳酸発酵が少なかったり、投入酵母の数がウィスキーより少量であったり、発酵時間がゆっくり長いのも原因で汚染には細心の注意が必要不可欠。。
ビール工場見学での消毒方とウィスキー工場見学での消毒方でそれはわかると思う。
元々は今や悪者の不必要な「野生酵母」で醸造の歴史は始まったと思うが品種改良を重ねて出来た「培養酵母」はそれ専門の職人酵母だ。培養酵母は麦汁をよく発酵し、香味成分が豊かになるように改良されたもので、酵母形状も整っていて大きい物が良い。
上面酵母も下面酵母も基本的な働きは一緒。。しかし、活動温度に違いがある。
5℃~10℃で活躍するのが「下面酵母」で15℃~25℃で活躍するのが「上面酵母」。。
発酵時間は勿論温度の高い上面の方が短い。(3日~5日)
因みにウィスキーの発酵時間は発酵温度が30℃近くになるので48時間くらい。。
お互いに醸し出すフレーバーは違うが特に違うところがあるのは、下面酵母は「メリビオース」と言われるオリゴ糖を発酵するが上面酵母は発酵しない。ここで「上」か「下」かを区別する。
酵母にもそれぞれ「性格」があって 否、「性質」と言うべきか?
酵母の中には発酵中に集合密着する「凝集酵母」・・クラスに居た友達と喋りながら給食を食べてるうちに時間切れになった。。みたいなのと、一人で黙々とず~と食べて腹が一杯になりすぎたような感じの奴。。コイツは凝集性が全く無く、長く液体に浮遊する「非凝集酵母」と言う。
凝集酵母は糖分を食いきらないうちに集合して沈下を始める。
こうなると余計な糖分が残るので保存性が悪くなる。逆に「非凝集酵母」は切れが鋭すぎるビールを造る事になる。
麦汁糖度から発酵後の糖度でビールの「ボディ」は決定するのだが、この2種類の性質を旨く利用しつつ、この二つの性質の中間くらいの酵母を選択して発酵後の糖度バランスをとる。
初期比重と最終比重の差である。
注意しなければいけないのは酵母の突然変異である。
それは当に「夏休みデビュー」のように・・・・・
同一の酵母を連続で使用すると酵母自身が変異や変性といった汚染原因の一つになる。
つまり、酵母の純粋性を保つ為には純粋性のある酵母を時折、更新させる事である。
酵母の純粋培養は優良酵母株を選び工場規模で培養していく。。
「麦」「ホップ」「酵母」・・主原料の説明は終わり・・長かった。。あっ・・「水」が・・忘れてた。
水は硬水でも軟水でもどっちでも良いんだけど・・その土地土地で・・でも弱酸性が良い。
糖化の時に酵素が働きやすいから・・清澄させ易い。。
次回「作り方」編。。
#ビールって??