抽象画、といわれる種類の画である。
しかし、私はエミリー・ウングワレーという人間が余すところなく表現された具象画と感じた。
一つの画のなかにも、一つの線のなかにも、それを描いた人間がいるのだ。
大半が大きな画であるが、遠くで離れて視るよりも、近づいて、エミリーの制作過程を追体験するほうがいい。
エミリーが降りてくるような気がするのだ。
大きく、優しく、強い、力。
難しく考えずに感じる絵画である。
元気になる。
力を後代に残したエミリー・カーメ・ウングワレーとはどんな人間だったのか。
絵画の外でも会ってみたい、と切に思った。
■エミリー・ウングワレー展
国立国際美術館
2008年2月26日(火)〜4月13日(日)
#文化芸術方面