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角瓶

BAR BARNSで年代の異なる三本のサントリー角瓶を飲み比べる機会がありました。

右から、寿屋時代のボトル、社名がサントリーに変更されてからの特級ボトル、そして現行ボトルです。
それぞれラベルにはサントリー・チーフブレンダーの輿水さんのサインが書かれています。
寿屋ボトルと特級ボトルは43度。現行ボトルのみ40度です。

<寿屋時代のボトル>
スパイシーで甘い、予想以上に強い香り。
口に含むとスパイスに続いて木の風味。
バランス良く、まとまりのある味。
余韻に木の風味が残る。
武骨な印象だが、ストレートで十分に楽しめる。

<社名変更後の特級ボトル>
基本的な性格は寿屋時代のボトルに近いが木の風味はかなり控え目。
ほんの少しだけ蜂蜜のニュアンス。
きれいに消える甘さ。
(他の2本と比較したせいか中庸な性格に感じられますが、個人的には3本の中でこれが好きです。)

<現行ボトル>
どちらかと言えば社名変更後の特級ボトルに近いが、香りのベースとなる部分が他の2本と異なり、今風。
木の風味はほとんど感じられない。
甘く、スパイシー。
バランス良く、美味しい。

「角瓶」の基本的な性格というか方向性は引き継がれていると思うのですが、飲み比べてみると色々と違う部分が感じられます。
材料や設備の違い、作り手の意図、飲み手のニーズなど様々な要素が絡んで相違が生じているのでしょうね。
どんな理由、背景から相違が生じたのか考えるとなかなか興味深いです。

寿屋時代のボトルのネック部分です。小さく「特級」と表記されています。
「特級」が始まった1953年の酒税法の全面改正以後、社名がサントリーに変更される1963年までの間に製造・販売されたボトルと考えて差し支えなさそうです。
約50年前に瓶詰めされたウィスキーとは思えない力強さが印象的でした。

#ブレンデッド

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