先日も述べたが、世は空前の焼酎ブームであります。
世界的に見ると、焼酎に近い蒸留酒が現れるのは11世紀頃。
シャム国(現在のタイ)を中心に中近東・東南アジアで作られていたようです。
ここからどう伝播していったかは、正確な資料が存在しないので定かではないが、日本へ来たのは、14世紀中頃にタイから中国・琉球(沖縄)を経由して伝わったものが最初だといわれています。
カクテルの歴史は紀元前にまでさかのぼります。
古代エジプトではビールに蜂蜜や生姜などを加えて飲み、ローマではぶどう酒を水や海水で割って飲んでいたといわれています。
中世ヨーロッパ(12~17世紀にかけて)では冬季の寒冷化が起こり、冬の間は自然に飲物を温めて飲むスタイルが普及しました。
錬金術師達によってウィスキー、ブランデーが生み出されるとビール、ワインしかなかった混ぜてつくる飲物(ミクストドリンク)の世界も次第に拡大していったのです。
流れて1879年、ミュンヘン工業大学のカール・フォン・リンデ教授によって人工の製氷機が発明され、四季を通じて氷を使用することが可能になり、シェークしたりステアする技術と冷えたカクテルが登場し、爆発的な人気で世界中の人々に愛飲されるようになりました。
日本には明治初期の欧風化の波にのって比較的早くからカクテルが渡来したが、市民の間でカクテルという名前が知られるようになったのは太正(大正)時代に入ってから。喫茶店とバーを兼ねたカフェのメニューにカクテルが登場するようになるが多くの人がカクテルを飲むようになったのは戦後の昭和30年代頃からです。
ウイスキーの水割りブームによって、一時カクテルは影をひそめますが、 1970年頃にディスコブームにのってトロピカルドリンクが人気を集め、1990年代には酒をメインとする本格的なバーやそれを少しカジュアルにしたショット・バーの時代へと入っていったのです。
小生がバーテンダーの道を歩み始めたのは1985年頃、当時はバブルの好景気も手伝ってか水割り全盛期とはいえ、カクテルもよく出ました。特に女性がお酒を飲む機会が多くなったせいか、各種フィズやカルーアミルク、ファジーネーブル、モスコミュール等のカクテルをよく作った記憶があります。
また、今人気のスコッチのモルトウイスキーも輸入されているものが少なく、バーボンウイスキーが人気でよく飲まれていました。
流行は繰り返されるといいますが、何が流行るか分らない昨今では、カクテルの順番がいつのことになるやら・・・せめて伝説だけで終わらないで欲しいと願うばかりです。(まぁ、自分からカクテルブームを作っていけばいいのでしょうが・・・)
しかし、流行を追わないカクテルファンの為に、我々バーテンダーは時代に関係なく精進しなければ明日は無いのです。・・・今回も語ってしまった。
#カクテル