【提言】ハイボール人気をどう今後に繋げていくか?
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暖かくなるにつれてハイボールの勢いが再び増しているようです。
「この後をどうするか?」ということもよく言われますが、正直コアな層のモルト飲みが、実際ハイボールを宣伝推奨するウイスキー製造メーカーのメインターゲット層から外れている現状では、
なかなか有効な手立てはないように思います。
なぜなら、ウイスキー製造メーカーからすると、「ハイボール」を作るのに適したラインのリリースを推しているわけですから「もっと美味いウイスキーもあるよ!」と、
お客さんをみすみすそこから逃がすようなことを宣伝したのではダメでしょう。
もちろんアルコール度数の関係から、ハイボールは飲めても、ストレートに近づくと飲めないという層もいると思います。
こういった方にはぜひハイボールでも、他の方法でもウイスキーを飲み続けて貰いたいです。
ただ私にも、ハイボールそのものの印象が、日本におけるウイスキー全体のイメージを左右するようになってきたと懸念が生じてきました。
つまりはウイスキーとはハイボール、ハイボールがこういう味だったからウイスキーとはこんな印象、という論法です。
ハイボール人気をどう今後に繋げていくか?
私の考える方法論としては3つ
実際ハイボールを宣伝推奨する日本のウイスキーメーカーが、ハイボール浸透後に「より美味いウイスキー」ラインを推してくるまで待ち、輸入インポーター・代理店・酒屋はその時点で勝負する。(現状このままでは実現確率低い)
輸入インポーター・代理店・酒屋・BARが、このボトルは「ハイボールにも適しています!」と銘打ってウイスキーをリリースし、日本のウイスキーメーカーと”ハイボールの土俵”で「美味しさ」を勝負しお客を引き込む(いつでも勝負できるが販売飲食店網の問題がある)。次にハイボール以外の飲み方が更に美味いことを啓蒙する。
このままお客さんの流れにまかせる。
今のうちに試みた方がいいと思うのは、肝心のウイスキーのクオリティアップです。ハイボールだからこれでいいという選択では繋がっていかないかもしれません。
私としては、低コストのハイボールを推進する企業が出てきたことから、せっかくのハイボール流行すら、試したけど大したことなかったという結果になってしまうのではないかと危惧しています。
これまでウイスキーはビールほど日常必需品というようには捉えられてきませんでしたから、第3のビールのように、通常ラインへお客さんが引き返してくるとも限りません。
ウイスキー全体のイメージがハイボールによって語られ始めた現実に、困惑してばかりではいけません。
やはりウイスキーの質で妥協せず、同じものをハイボールではなくて、そのままに近い形で味わってみませんか? というのが一番わかりやすいのではないでしょうか。
古くからウイスキーを作り続けてきた企業におかれては、やはり「世界レベルで味の勝負ができる」ウイスキーをメインストリームに据えた上で、ハイボールを推奨していただきたいと思います。
安価が先か、味が先か。確かにこのご時世では仕方がないところがあるとは思いますが、これまで培ってきた価値を誤解されることがないよう、さらに発展して行って欲しいと思います。
みなさんのご意見はいかがでしょうか?
#ウイスキーの知識