マッカラン　1900年　11y　マッカラン＆タリスカ蒸留所

このボトルも大変勉強になります。

1900年のビンテージの下に、”（このボトルの中身が）完全にピュアであることを、ロデリック・ケンプ”が保証します”との表示。そして会社名が”マッカラン　アンド　タリスカ　蒸留所”とあります。

アバディーン出身の商人　ロデリック・ケンプの存在は、マッカランについて語られる際よく登場しますが、タリスカについてはウイスキーコンパニオンにも載っていません。

【マッカラン】正式な創業は1824年（ハイランドにおいては２番目の政府登録）蒸留所であるマッカランは、そのさかのぼること100年以上前の密造酒時代から農業の傍らウイスキー造りが行われ、特にクレイゲラヒの浅瀬を渡って町へ牛を売りに行く牧童たちの間で評判の一品であったといいます。そして1892年、ロデリック・ケンプが同蒸留所を買収し、マッカラン・グレンリベットと名称を変更。施設を近代化し、以降彼の後継者によってマッカランは名声を勝ち取ります。

【タリスカ】もともとスカイ島の北側スニゾートに存在していましたがこれは閉鎖され、スカイ島西海岸に移転。1830年にマカスキル兄弟によって現在の蒸留所が建設されました。1848年北スコットランド銀行によって買収されますが、前後に経営者が次々に破産。1880年にスペイサイドの検察官アレキサンダー・グリコール・アランと、ロデリック・ケンプの手によってタリスカ蒸留所は経営状態が改善され、スカイ島を分割統治していた”ダンヴェガン（スカイ島北西部の城）”のマクラウド一族の当主に一樽献上するまでになります。その後1898年、アレキサンダー・グリコール・アランは自身の持ち株をトーマス・マッケンジーと統合し、”ダルユーイン・タリスカー蒸留所”を設立。タリスカはこのときイギリス国内で一番売れる銘柄となっていました。そして1900年には蒸留所所有の埠頭、自社専用の路面電車、社宅を持つまでになったとあります。

以上を踏まえると、このマッカランのボトルにあるロデリック・ケンプ氏のギャランティーやマッカラン　アンド　タリスカ　蒸留所の表記は、一層リアリティをもって感じられます。