最近当店でもシェリーワインを飲まれるお客様が増えてきました。
本当に嬉しいことです。
さてそこで、そこで私がなぜこのシェリーワインの魅力に取り付かれていったかを少しお話いたします。
もともと私はシングルモルトウィスキーをこよなく愛し、他のお酒の知識は比率的にいいますと7:3ほどにモルトに偏っておりました。
ですが、やはりシングルモルトスコッチウィスキーといえばシェリー樽の存在は忘れることが出来ません。
そこで、シェリーワインとは何か?(ここ最近の傾向としてポートやマデイラ等の樽も使われますので今勉強中)という疑問を抱き調べ始めました。
・・・がしかし当時は情報量が少なく専門的な資料も無くてあるのは手元にあるバーテンダーズマニュアルやNBAのバーテンダー教本に載っている情報でしかなかったのです。
基本的なことは書いてありましたが、深く追求した説明が無くて余計に探究心が燃え始めました。
そんな時、当時のNBAの勉強会にてシェリーワインの講習会を行い現地のベネンシアドールの方と触れ合うことが出来て少し理解し始め、また興味をいっそう強く致しました。
そもそも樽がなぜ熟成に使われるようになったのは、よく知られている話として、当時のスコットランドがイギリスから麦芽税をかけられそれまで庶民の楽しみであったウィスキーに税金が掛かるようになり、徴税士から逃れる為に山奥や深い渓谷などに隠れて作られるようになった。
だがこの時にこの蒸留した命の水を隠す為に、樽を使いそれを隠したと言われています。
そして、いつの日か忘れ去られたのか、この樽を開けるとウイスキーは琥珀色になり、またえもいえぬ香りを発していたといわれます。
そしてこの樽とウィスキーの関係は切っても切れない関係になっていったといわれています。
当時イギリスは、スペインから大量のワインを輸入しておりました。特にこのワインの中で輸入されていたものはシェリーワインだったといわれています。
当時は、飛行機という交通手段ではなく航路を使い輸入をしていました。冷蔵施設もあるわけが無いので、アルコール添加をして劣化しにくいシェリーワインは、特に輸出には持ってこいだったといわれています。(もともとシェリーワインのアルコール添加は、輸出用にするためアルコール度数を上げることにより劣化を防いだことから始まったそうです。)
そして、大量のシェリーワインの空樽はウィスキーの熟成に使われるようになり、
より芳醇で琥珀色したウィスキーをつくるゆりかごとなっていったそうです。
僕の予想ですがこの時のシェリーワインのタイプは、オロロソだったと思われます。
今では、シングルモルトと共にシェリーワインを愛しておりますが、まだまだシェリーについては勉強中です。
皆さんにはこの偶然でもあり、必要だったこの2人の出会いを楽しんでいただけたらと思います。
#バーテンダーの独り言