自分の研究として、少し古めのお酒を使ったり、ベースになるお酒のチョイスをいろいろとやっていることに対して少し述べたいんですが。
僕がバーテンダーになったのは今から15年前です。
その頃は、正直(今でも)お酒を一滴も飲めないというほどの「下戸」でした。
だから飲みにくいお酒を美味しく飲ませるカクテルという存在にとても興味を抱いてこの世界に足を踏み入れたんですよね。
でもその頃にお酒の味が解る訳でも無く、昔修業のためにのんでいたお酒の味は、やはりぼやけている。
だからこそ古いお酒を見つけては、自分で昔、師匠が作っていた頃の味わいを知りたくて、勿体ないと思いながらも使ったりしてきたです。
もちろんシングルモルトにしろホワイトスピリッツ類やリキュール等、苦労して手に入れたものですからやはり大切に使いたいし、お客様にもその思いはわかってほしい。
ウィスキーも昔のボトル(それに限らないですが)でハイボールを飲みたいという方もいらっしゃるが極力ご遠慮願うことが多いのもその理由からです。
なぜか?
生産者達に敬意を払っているからです。
だってその当時に作ってくれた方がたいなければ今僕たちが飲むことが出来るお酒は存在していなかったかもしれないんですからね。
そのお酒のために一生懸命働いて作り上げ、そこにはその人達の魂が篭っているんですからね。
昔の味わいを思い出して飲みたいという気持ちは、とても良くわかりますから相当なオールドでない限りは対応しますが…。
できたらそれでも一度はストレートでも味わっていただいてほしいものです。
話が逸れましたが、古いお酒を使いカクテルを作るという行為は僕にとっては付加価値というよりも、古かろうが新しかろうが美味しいものがお出しできるならば最大の努力を惜しまないということです。
いつかは無くなってしまい、その味わいも楽しめることは出来なくなるときもくるでしょう。
僕自身が今、昔の味わいを知らない(覚えていない)のがとても悔しいのもありますがね。
だから変態扱いされても、試せる間は皆様にもお付き合いいただきたいと思うのです。
すべてに当てはまる訳ではないけれも、懐古主義ではなく僕自身のためなんです。
そしてこれからの飲み手達や若手のバーテンダー達の為にも出来ることを伝えて行きたいんです。
でもそんなに古いお酒はもっていないんですがね(笑)
#バーテンダーの独り言