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あの日と今日を紡ぐ物

移転をして4ヶ月が過ぎ、改めて思う。
彼らがそこで憂い、また泣き、賑わってその頃を・・・。

今日は、移転してから初めてカウンターにワックスをかけました。

以前のお店から持ってきたこのカウンターには、やはり思い入れ残っている。
24才というあまりにも若い時期にお店を開き、母の友人でもある家具職人の方に無理をいい手作りで作っていただいた代物だ。

塗りも家具塗装の職人さんにお願いして綺麗にしていただいてた物だった。

7年という歳月がたとうとしている今、カウンターの傷がその歴史を物語っている。

『初めて、このカウンターの上でカクテルを作った時・・・。』

『このカウンターでみんなで笑っていた時。』

『お客様と言い合いのけんかをした時。』

『このカウンターがあの人の涙を受けた時。』

『このカウンターで、あの人のこの世で最後のカクテルをお出しした時・・・。』

BARのカウンターには、一人ひとりの思い出が刻まれています。

移転をする時に表面を削り修復をしようとしましたが、やはりそれは出来ずに今も昔も変わらぬ傷がそのまま残っています。

ワックスをかけながら、『この席は、あの方がよく座っていたよなぁ』とか、『この席でこんな夢を語っていたよね』なんて少し思い出に浸っていました。

袋井時代のお客様に昔と変わらぬ、カウンターに座っていただくとそんな話も酒の肴になります。

今は移転をし、新しい傷が出来始めて様々な思いを皆さんと一緒に時を刻んでいます。


ですが、私にとってはあの頃を忘れずいつもでもNO’AGEであり続ける。

それを改めて感じた一瞬でした。

#バーテンダーの独り言

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