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中心と出会う

 バー通いをしだしたのは、3回生になってからのことだった。その当時はよくもてたと言っていいぐらい、バーに一緒してくれる女性に不自由はしなかった。「矢沢」というバーによく通っていたが、酔うことを目的にバーボンを中心に飲んでいたように思う。量が飲めるのが自慢であり、酔いつぶれないのが自慢だった。麻雀で勝ってはバーに貢いでいた時期である。

 なんとなくバーボンの気分ではなく、カウンターに座り目に付いたスコッチモルトを片っ端から飲んでいた。するとマスターが「ちゃんと味や香りを覚えたかったら、何かをキーにして飲み比べをする方が分かりやすいよ。」とアドバイスしてくださった。そのバーにはオフィシャルの12Yクラスが15種類ぐらいは並んでおり、どれも個性的だとは思っていた。

 そこで、マスターの薦めもあって「グレンリベット12Y」をキーモルトに決定した。それ以来何処のバーに行っても、スコッチを頼むときは1杯目にはグレンリベットをオーダーしたし、家にも1本置いておきいやと言うほど飲み続けた。バーではそのグラスが空になる前に2杯目をオーダーし、違いを感じるようにした。Theがついているからこの酒を選んだ訳ではないが、いまだにスコッチモルトの中心に存在する酒であることに変わりはない。

 今でも大好きな酒の一つであり、何か飲もうかなと思ったときにはつい手が伸びてしまうのだが、いまはオフィシャル12Yは店にない。いつの間にかもっと美味いモルトを飲むようになったのであり、ボトラーズに走るようになった。よその店では今でもオーダーすることがあり、なんとなく懐かしい味に感じる。

 すばらしいアドバイスと、マスターに乾杯!

#グレンリベット

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