Islay アイラ島
ヘブリディーズ諸島の最南端に位置する。
日本の淡路島よりひとまわり小さい。人口は3400人。
ウイスキーづくりがさかんになった理由は
①比較的気候が温暖で大麦の生育に適していた。
②島の4分の1が厚いピートに覆われていた。
③良質な水に恵まれていた。
またウイスキーが最初に伝わったのがアイラ島という歴史的理由をあげる人もいる。
ブナハーブン~カリラ~ポートアスケーグ港 場所
・ブナハーブン蒸留所(アンゴスチュラ社)
「河口」の意味。
設立は1881年、キルホーマンができるまで、アイラでは最も新しい蒸留所だった。
ピート処理をほとんど施さないのでアイラモルトのなかでは最も軽い風味といわれる。
90年代終わりから35~38ppm(ラガヴーリン、カリラと同じ)のスモーキーなブナハーブンもつくっている。
ブラックボトルのホーム蒸留所。
・カリラ蒸留所(ディアジオ社)
「アイラ海峡」の意味。caol海峡ilaアイラ島。
アイラ海峡をはさんで対岸にジュラ島のパップス(乳房)山がみえる。
ポットスチルは大きなストレート型が初3再3、年間生産量が380万リットルでアイラ島最大。
仕込み水はナムバン湖の水で、目の前の海水を使って冷却する仕組みになっている。
花動には島に棲むアザラシが描かれている。
殆どがディアジオ社のブレンド用(ジョニーウォーカーなど)に使われる。
花動以外にはヒドゥンモルトシリーズで12年、18年、カスクの3本。
またアンピーテッド8年もリリースされた。
■ポートアスケイグ港
アイラ島の北の玄関口。
A846は島の南端ポートエレンからボウモア、そしてポートアスケイグに至り、ここから対岸のジュラ島へフェリーが出ている。
アイラ島南端の蒸留所:アードベック、ラガヴーリン、ラフロイグ、ポートエレン
・アードベック蒸留所(モエヘネシー・ルイヴィトン、グレンモーレンジ社) 場所
「小さな丘」「小さな港」の意味。(関連:アードモアと反対)
創業は1815年、ジョン・マクドーガルで100年近くマクドーガル家が経営してきた。
1980年から89年まで完全に生産がストップ。
1997年にグレンモーレンジ社が買収した。
焚きこむピートは55~65ppmと全蒸留所中もっとも高い。
スチルはランタン型で初1再1で再留釜にアイラ島唯一のピュアリファイアー(精留器)がつけられている。
このため蒸留後は3分の1の約23ppmまでフェノール値が下がっている。
仕込み水はウーガダール湖、アリナムビースト湖、コーヒー色をした非常にピートの濃い水。
ビジターセンターもあり、軽食を取ることも出来る。
※関連製品
アードベック プラスダ 8pm チルフィルター 40%
アードベック ウーガダール バーボン樽Xシェリー樽 54.2%
アードベック アリーナン・ビースト 16年熟成
アードベック ベルギー 32年熟成でアルコール53.9%
アードベック コリーヴレカン ヨーロッパ最大の大渦潮の発生すると言うアイラ島とジュラ島の近くにある場 会員限定発売 57.1%
アードベック スーパーノヴァ 100PPM超
「アードベック10年への道」
アードベック ベリーヤング 6年
アードベック スティルヤング 8年
アードベック オールモストゼア 9年
アードベック ルネッサンス 10年
1998年に再開された際の原酒は10周年を祝うボトルでシリーズ完結。
・ラガヴーリン蒸留所(ディアジオ社) 場所
「水車小屋のある窪地」の意味。
使用する麦芽はポートエレン製で35ppm(カリラと同じ)ちなみにイースト菌も同じだが出来あがりは全く違う。
ホワイトホースを率いたピーターマッキーが修業した蒸留所である。
スチルはストレートが初2再2、初留2にたいして再留1で対応、再留に2倍の時間をかけている。
ラガヴーリンの熟成庫、ポートエレンの熟成庫、カリラの熟成庫で約2万樽が熟成されている。(カリラは全て本土で熟成させる)
16年がディアジオクラシックモルトシリーズ。
・ラフロイグ蒸留所(フォーチュンブランズ社) 場所
「広い入り江の美しい窪地」の意味。
フロアモルティングを行っている。
独自のピート(海藻や海苔が入っている)を使うため、ヨード臭の強い薬品のようなフレーバー。
自家製麦芽は40~50ppm、あとはポートエレン製の35ppmの麦芽を使う。
ストレート型の初留基が3、ランタンヘッド型の再留基が4、サイズはキルホーマンに次いでアイラで2番目に小さい。
熟成にはファーストフィルのバーボン樽しか使わない。
バーボン樽を組換えたクォーターカスクで後熟した製品もある。(後に姉妹蒸留所アードモアで使われる)
チャールズ皇太子が愛飲したモルトで、ワラント(勅許状)を授かっている唯一のモルト。
・ポートエレン蒸留所(1983年閉鎖)
最終的にはUD(現ディアジオ社)の所有だったが現在はスチルも完全に撤去され閉鎖。
現在はモルトスターとしてディアジオ系列の蒸留所や、ブルイックラディを除くアイラ、ジュラの蒸留所に麦芽を提供している。
インダール湾周辺の蒸留所:ボウモア、ブルイックラディ、ポートシャーロット(準備中)
・ボウモア蒸留所(サントリー) 場所
「大きな岩礁」「大きな家」の意味。
設立は1779年、デイビット・シンプソンによるアイラ最古の蒸留所。
1994年からモリソン・ボウモアにかわりサントリーがオーナーに。
スチルはネックの細いストレート型で初2、再2、仕込み水はアイラ最大のラーガン川の水。
フロアモルティングで4割ちかくをまかなっている、のこりは本土のシンプソンズ社製のもの。
フェノール値は20~25ppm。
蒸留廃液をつかって温水プールをつくって地域貢献をしている。(関連:プルトニー)
WWⅡ時には飛行艇の訓練基地として使われていた。
日本ではマッカラン、リベット、フィディックに続いて第4位の売上。
・ブルイックラディ蒸留所(マーレイ・マクダビッド社)
「海辺の丘の斜面」の意味。
インダール湾をはさんでボウモアの対岸に位置する。
1994年に一度閉鎖されたが、生きる伝説ことジム・マッキューワン氏とボトラーズのマーレイ・マクダビット社が再設。
①3~5ppm ブルイックラディ
②30~40ppm ポートシャーロット
③80~160ppm オクトモア
の3つのタイプのモルトをつくっている。
また3回蒸留のトレスタリグや4回蒸留のクアドルプルなどもリリースしている。
アイラ島ではハイランドクリアランスからおよそ100年ぶりとなる大麦の栽培を行っており、将来的に全てそれでまかなうのが目標。
品種はオプティック、オクスブリッジ、ベア(古代種)なども栽培している。
アイラ島で唯一ボトリング設備を持った蒸留所である。
旧ロッホインダール蒸留所の復活計画も進行中、完成すればポートシャーロット蒸留所となる。
・ポートシャーロット蒸留所(準備中)
最後にスコッチ最西端であるキルホーマン蒸留所
・キルホーマン蒸留所(キルホーマン社) 場所
2005年に設立されたマイクロディスティラリー、アイラでは124年ぶりの新しい蒸留所誕生となる。
ブルイックラディを抜き、スコットランド最西端の蒸留所である。
海から1キロほど内陸に建てられている。(アイラで唯一海に面していない)
フロアモルティング(25~30ppm)が4割、ポートエレン製(50~60ppm)が6割。
初留ストレート型1基、再留ボール型1基。
売店やカフェがあり、蒸留所はアイラ最小だがショップ面積はアイラ最大。
#アイラ島(穴埋め式)