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アイランズモルト Islands Malt

アイランズモルト Islands Malt

シェットランド、オークニー諸島~アウターヘブリディーズ諸島~インナーヘブリディーズ諸島

オークニー諸島:ハイランドパーク、スキャパ
人口:約2万人
オークニー諸島は大小70余りの島からなる群島、寒冷地で風が強いため木がほとんど育たなくて、島の産業は牧畜、漁業、観光など。
さらに北のシェトランド諸島とともにヴァイキングの影響が色濃く残っておりケルト文化とは異なる文化をもつ異色の島。
実際、島民は自らをヴァイキングの末裔だと自称する。
「リング・オブ・ブロッガー」などの歴史上重要な古代遺跡や、アザラシなどの野生動物の宝庫としても知られる。
街の中心部には英国最北端の大聖堂であるセントマグナス大聖堂などあり、とれもオシャレで綺麗な町並み
古代遺跡と大自然の神秘的なこの島は世界遺産に登録されている。

・ハイランドパーク蒸留所(エドリントングループ) 場所
「アザラシの島」「イノシシの島」の意味。
世界でもっとも北にある蒸留所です。
伝説的な密造者マグナス・ユウンソンによって1798年設立。
「北の巨人」と呼ばれる。
主な特徴は
①蒸留所の下のクランティットの井戸水という硬水を使っている。
②フロアモルティングを行っている。(フェノール値40ppm)
③全てヘザーが堆積したピートを使う。(木がないため)
④6割がフェイマスグラウスなどのブレンド用として使われる。
近年パッケージ変更された際、よりヴァイキング色が強められスカンジナビア風のhのロゴがトレードマーク。

<参考>フロアモルティングを行っている蒸留所
・ハイランドパーク(自家製麦芽40~42ppm2割、シンプソンズ社8割)
・ボウモア(自家製麦芽20~25ppm4割、シンプソンズ社6割)
・ラフロイグ(自家製麦芽40~50ppm2割、ポートエレン製35ppm8割)
・スプリングバンク(自家製麦100%)
・バルヴェニー()
・キルホーマン(25~30ppm4割、ポートエレン製50~60ppmが6割)

・スキャパ蒸留所(ペルノリカール社) 場所
「貝床」の意味。スキャパ湾を望む高台に建てられている。
スキャパ湾にはWW2時にドイツのUボートの侵入を防ぐための有名なチャーチルバリアが張られている。
主な特長は
①ハイランドパークと同様に仕込み水に硬水を使っている。
②初留釜がローモンドスチル、ただし仕切り板はない。(関連:グレンバーギ、ミルトンダフ)
③麦芽にピートを全く焚かない。
④ペルノ社が所有する13蒸留所のなかでは最小の生産量。
⑤ファーストフィルのバーボン樽でのみ熟成させる。
⑥バランタインの7柱

シェットランド諸島:ブラックウッド(準備中) 場所
現在は建設の見通しが立っておらず、どうなるかわからない。

アウターヘブリディーズ諸島:ルイス島、バラ島
8世紀からヴァイキングのノース人が定住しはじめた。
ゲール文化が強く根付いている。
ヘブリディーズとはヴァイキングの言葉で「地の果て」「この世の果て」の意味。

■ルイス島:ストーノウェイ、ハリス島、アビンジャラク蒸留所 場所
人口:1万9千人
アウターヘブリディーズ最大の島。

・ストーノウェイ 場所
人口:約6000人
ルイス島の中心街。ちかくにはオークニー諸島のリングオブストーンと並ぶスコットランドを代表するストーンサークル「カラニッシュ」という謎の13本の石柱がある。

・ハリス島
スカイ島と陸続きになっているハリスツイードで有名な島。
この地はスコットランドで最も美しい風景のひとつ。

・アビンジャラク蒸留所(マーク・テイバーン)
「赤い川」の意味。そばに流れるアビンジャラク川の“血の川”の逸話より。
2008年にマーク・テイバーン氏が設立した。
ヒルスチルと呼ばれるルイス島伝統の密造スチルが特長。
冷却は伝統的なワ-ムタブ。
キルホーマンを抜いて、スコットランド最西端の蒸留所。
(ブルイックラディ→キルホーマン→アビンジャラク1位)
仕込みはスコットランド最小規模のエドラダワーやキルホーマンの半分くらいの規模。

■バラ島:アイル・オブ・バラ蒸留所 場所
アウターーヘブリディーズ南端にある島。
ウイスキーを積んだ貨物船が、アウター・ヘブリディースで座礁した実話を題材にした小説「ウイスキーガロア」の作者コンプトン・マッケンジーが愛した島でもある。(ボトラーズのダンカンテイラーにも同名のシリーズがある。)

・アイルオブバラ蒸留所(準備中)
貨物船と同じく、計画は暗礁に乗り上げたらしい。

インナーヘブリディーズ:スカイ島、マル島(トバモリー蒸留所)、スタッファ島、アイオワ島、ジュラ島(アイルオブジュラ蒸留所)、アラン島(アイルオブアラン蒸留所)

■スカイ島:ポートリー、タリスカー、プラバン・ナ・リンネ(準備中) 場所
人口:約9000人
スカイ島は「翼のある島」の意味で、島が翼を広げたような形をしているから。
ヘブリディーズ諸島で最大の島。島民は今もゲール語を日常的に使い、英語とゲール語の両方がかかれている。
スコットランドの魅力を凝縮した、非常に重要な島。

・ポートリーの港 場所
スカイ島最大の街。島の観光の拠点として多くの人が訪れる。
色鮮やかな家々が立ち並ぶ。

・タリスカー蒸留所(ディアジオ社) 場所
「傾いた大岩」「斜面上の大岩」の意味。
主な特徴は
①UDのクラシックモルトのひとつ。
②ポットスチルは初留2基、再留3基(関連:マクダフ)
③初留釜のラインアームが途中2回U字型に曲げられており、これがパワフルな胡椒味を生む。
④熟成は250Lの2回目以降(リフィル)のホグスヘッド。
⑤「宝島」「ジキルとハイド」の作者スチーブンソン(関連:ウィックの街)が「酒のなかの王様」と評した。

・プラバン・ナ・リンネ蒸留所(準備中) 

■マル島
インナーヘブリディーズ諸島で最大の島。人口は約2600人。
オーバンからマル島へのフェリーが出ている。
またマル島からキリスト教の中心地アイオナ島やフィンガルの洞窟で有名なスタッファ島へ移動する事が出来る。

・トバモリー蒸留所(アンゴスチュラ社、バーンスチュワート社)
「メアリーの井戸」の意味。
以前はジュラ島やスカイ島とのモルトをヴァッティングさせたヴァッテドモルトであったが、バーンスチュワート社が買収してからは10年ものが発売されるようになった。
「レダイグ」(安全な港、の意味)という35ppmのピートを焚いた古いタイプのモルトも発売されている。(トバモリーはピートを焚かない)
熟成はおもに本土のバーンスチュワートの熟成庫とアイラのブナバーブンの熟成庫で行っている。

■ジュラ島 場所
人口約200人に対して5000~6000頭の野生の鹿が棲む、ジュラとはヴァイキングの言葉で「鹿の島」の意味。
アイラ島とアイラ海峡をはさんで向かい合っている。

・アイルオブジュラ蒸留所(UBグループ、ホワイトマッカイ社) 
蒸留所はデルム・エヴァンスが設計した。(関連:グレンアラヒー、タリバーディン)
初2再2基のランタン型の巨大なポットスチルとピートを焚かない麦芽から、ライトボディでハイランドタイプといわれるジュラの個性が生まれる。

デルム・エヴァンス・・・チャールズドイグと並ぶ有名な蒸留所設計者。
彼の手がけた蒸留所であるアラヒー、タリバーディン、ジュラはどれも趣の似た蒸留所だが、
その蒸留所らしからぬ優雅な佇まいをまるでモーテルのようだと酷評する評論家もいる。

巨大なポットスチル・・・グレンキンチー(ランタン型、スコットランド最大)、グレンファークラス(ボール型、スペイサイド最大)、バルヴェニー(ボール型)、グレンロセス(ボール型、初5再5の10基)。

■アラン島 場所
ハイランドとローランドという2つの典型的なスコットランドの自然が存在することから、ミニチュアスコットランドとよばれ、リゾート地として多くの観光客を集める。ソラマメのようなかたちをした島。

・アイルオブアラン蒸留所(アイルオブアランディスティラリー社)
1995年に設立、ハロルド・カリー氏はシーバス社の代表取締役などを歴任したスコッチ界の重鎮。
島にはもともと密造もふくめると50近い蒸留所があったが、アイルオブアランが出来るまで160年間一滴もウイスキーはつくられていなかった。
1998年に3年、1994年に4年・・・と毎年シングルモルトを出しており、2008年にはスタンダードの12年がリリースされた。

#アイランズ

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