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キルケラン

今年は、新顔のモルトが、我がホームバーに加わった。
 
造りが新しいブラスダ、ヘーゼルバーン、ポート・シャーロット、オクトモア、
 
新しい蒸留所の第1弾が、キルホーマン。
 
そして、第2弾が、グラン・アー・モー、、。
 
第3弾が、
 
 
 
キルケラン(46度、700ml) Kilkerran
 
スプリングバンク蒸留所からグロブ・ストリートを歩いて10分ほどの所に、グレンガイル蒸留所はある。グレンガイルの創業は1872年で、ミッチェル家のウィリアムが羊のことで兄弟ともめ、袂を分かって自分の蒸留所を建てたのが始まりという。
 
しかし生産していたのは1925年までで、その年に閉鎖。残っていた樽のストックは、全てオークションで売られてしまった。その後、建物はキャンベルタウンのライフル協会にリースされ、射撃場として使われたり、1970年以降はキンタイア農業組合の倉庫兼ショップとして利用されたりした。
 
そのグレンガイルの75年ぶりの復活を決めたのは、ヘドレー・ライト氏。彼はスプリングバンクの現経営者で、グレンガイルを創業したウィリアム・ミッチェルの3代目の甥にあたる人物。2004年3月に、再びポットスチルからニュース・ピリッツが流れ出た。
 
麦芽はスプリングバンクと同じで、フェノール値は約8PPM。麦芽粉砕機はクレイゲラキ、ポットスチルはベン・ウィヴィスの中古で、それ以外は新品という。ベン・ウィヴィスはインバーゴードン・グレーン蒸留所内にあった小さなモルト蒸留所で、1977年に閉鎖になっている。
 
最初の蒸留からすでに6年が経っており、これはワークス・イン・プログレス。スタンダードなグレンガイルが製品化されるのは、まだまだ先のこと。蒸留所名はグレンガイルだが、製品は「キルケラン」とすでに決定済み。キルケランとは地もとの聖人、セント・ケアランの教会を意味しているのだが、グレンガイルの名称は他社が商標登録しているため使用できなかった。
 
6年物ながら、既に、樽由来の枯れた味わいがして大変面白い。
 
ややくすみのあるマットで淡い黄金色。シリアル、アカシアの蜂蜜、何処かブリニーなのは可笑しいが、或る意味流石だ。スイート、ややオーク由来のバニラとタンニン。
 
爽やかなキャラクターで、他の色に染まり易い気配。ワイン樽が面白いだろう。クラレット、バーガンディ、ポート、ヴァニュルス辺りの赤ワイン、ソーテルヌ、モンラッシェ辺りの白ワイン、シェリー、マディラ、マラガ、マルサラ辺りの酒精強化ワインが良いかも知れない。また、コニャック、アルマニャック、カルヴァドス、ラム樽にも興味が向かう。きっとやるだろう。カスクオファーでも小耳に挟んだ。

因みに、スプリングバンクのマディラカスクは秀逸!クラレットカスクも素敵だ!!スモールカスクは最高だ!!!

 
Glengyle Distillery、イギリス
 
 
 
でした。
 
カスクサンプルを飲んだ時点で、そのポテンシャルの高さに感心したが、それから数年経って、漸く真価を発揮しだしたと言うところか。
 
デイリーにはもってこいのアペリティフ。
 
4年後の10年物、6年後の12年物を想像して、ひとり、ほくそ笑んでいる。
 
或る意味、アランの登場以上にセンセーショナルだ!
 

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