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アイリッシュ・コーヒーのアレンジ

珈琲フリークだった私は、夜となく昼となくコーヒーを飲んでは腹痛に悩む困り者だった、、、今宵は、アイリッシュ・ウイスキーがベースのリキュールで『アイリッシュ・コーヒー』のアレンジを行う!寒い夜には嬉しい飲み物だ!!
 
一杯の熱いコーヒーが、旅先の疲れを癒してくれることがある。一杯のウイスキーが、心を落ち着かせてくれることがある。
 
その2つを一緒にしたら……。
 
アイリッシュ・コーヒーは、正しくその目的から生まれた。
 
そして、今宵は、アイリッシュ・ミストでアレンジを!
 
 
 
■アイリッシュ・コーヒー
 
アイルランドで旅客機の乗客のために1942年に創案されたカクテル。考案者は飛行場のパブのシェフであったジョー(ジョセフ)・シェリダン(Joseph Sheridan 1909-1962)。
第二次世界大戦前の1930年代、パン・アメリカン航空によって飛行艇を使ったアメリカ・イギリス間の大西洋横断航空路が運行開始されたが、当時のプロペラ飛行艇は後年の旅客機と違って気密構造ではなく、暖房があまりよく効かなかった。そのうえ飛行できる距離も短く、経路の途中で燃料補給にアイルランド南西部の港町・フォインズ(Foynes)への寄港を強いられた。
 
飛行艇が水上で給油する間、乗客は安全のため陸上待機せねばならなかったが、港の天候が悪ければ飛行艇からパブのあるレストハウスにたどり着くまで更に凍える羽目になった。そこで燃料補給の待ち時間を利用して、乗客に体を温めて貰おう、という心遣いから、アイルランド名物のアイリッシュ・ウイスキーをベースとしたこの飲み物が考案されたという。
 
このカクテルはフォインズ近郊に1940年に開港し、戦後陸上機が主流となってからフォインズに代わる大西洋航空路の中継地となったシャノン空港でも提供され、当地の名物として大西洋横断航空路を利用する人々に知られるようになった。1952年にはサンフランシスコの「ブエナ・ビスタ・カフェ」にレシピが伝えられて飲まれるようになったことから、更にその存在が広まり、世界的に好まれるホット・カクテルの一つとなった。
 
現在、シャノン空港にはカクテル考案者のシェリダンを記念して「ジョー・シェリダン・カフェ」が設けられており、記念プレートも設置されている。ここでは、無論アイリッシュ・コーヒーを注文することができる。
 
 
アイリッシュ・ウイスキー – 30ml
ホット・コーヒー – 適量
角砂糖或いはブラウンシュガー – 2、3個
生クリーム – 少量
 
グラスにホット・コーヒーを注ぎ、角砂糖或いはブラウンシュガーを入れる。
 
アイリッシュ・ウイスキーを注ぎ、ステアする。
 
生クリームをフロートさせ完成。
 
マドラーを添える場合が多い。
 
ウイスキーを注ぐと温度が下がるので注意する。
 
エスプレッソマシンがあれば、事前にウイスキーをスチームで温めることが出来る。
 
なければステア後に電子レンジで温め、その後に生クリームをフロートさせても良い。
 
 
 
■アレンジ
 
アイリッシュ・ミストを加えると、「アイリッシュ・ミスト・コーヒー」になる。
 
また、ベースが違うと名称が変わる。
 
ベースがスコッチ・ウイスキーなら、「ゲーリック・コーヒー」
 
ベースがコニャックなら、「ロイヤル・コーヒー」
 
ベースがアクアビットなら、「スカンジナヴィアン・コーヒー」
 
ベースがカルヴァドスなら、「ノルマンディ・コーヒー」
 
 
 
■アイリッシュ・ミスト
 
アイリッシュ・ミスト(英: Irish Mist)は、1948年にアイルランドの蒸留業者ウイリアムズ家によって開発されたとされる、リキュールの一種。アイリッシュ・ウイスキーに10種類以上のハーブの抽出エキスと蜂蜜を加えることにより製造される。アルコール度は35度、エキス分は21%。
 
アイリッシュ・ミストは、中世の時代にアイルランドに住んでいたゲール族が飲用していたと言われている、「ヘザー・ワイン」を参考に開発された、とされている。これは、ヒースの花で香り付けされたアルコール飲料であったといわれており、また、アイリッシュ・ミストにおいてもヒースの花は使用されている。
 
現代のアイリッシュ・ミストは、アイリッシュ・ウイスキーをベースに、前述のヒースの花やクローバーの花から集めた蜂蜜、オレンジの果皮、10種類以上のハーブエキスをブレンドしたものに、水とシロップを加え、3ヶ月以上熟成させて作られており、アイリッシュ・ウイスキーと蜂蜜の香り、オレンジの爽やかさが混ざり合った複雑で奥深い味わいを持っていると評される。
 
 
 
■アイリッシュ・ミストを使ったカクテル
 
ミスティ
 
1954年に発表、ヒットしたジャズの曲である「ミスティ」にちなんで作成されたカクテルのひとつ。同様の名をもつカクテルは他にも存在するが、文献などで紹介されることの多い「ミスティ」。
 
ドライ・ジン、ドライ・ベルモット、アイリッシュ・ミストそれぞれ20mlをステアすることにより作られる。
 
ミスティ・ネイル
 
ラスティ・ネイルのバリエーションとも呼べるカクテル。ラスティ・ネイルはスコッチ・ウイスキーとドランブイとで作られるが、ミスティ・ネイルはアイリッシュ・ウイスキーとアイリッシュ・ミストとで作られる。
 
アイリッシュ・ウイスキー40ml、アイリッシュ・ミスト20mlをステアすることにより作られる。
 
参考文献
 
「決定版 リキュール&カクテル大辞典」渡辺一也監修、ナツメ社、2004年。ISBN 4-8163-3734-2
「リキュールで楽しむカクテル321 第2刷」小島武彦監修、日本文芸社、2004年。ISBN 4-537-20233-5
 
 
 
でした。
 
癖のないアイリッシュ・ウイスキーは、
 
リキュールに形を変えて、
 
さらに、コーヒーと出会って昇華され、
 
寒い夜空を見つめる男に、暖を与える!
 
(V)o¥o(V)
 

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