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マッカラン(続き)

マッカランも、1ページでは収まり切りませんでした!

マッカラン1874レプリカ(45度、700ml) Macallan 1874 Replica

 
マッカラン蒸溜所が、1995年、オークションで£3900の価格を付けて競り落としたオリジナルボトルの風味を”ウィスキー・メイカー”フランク・A・ニューランドが忠実に再現した、記念すべきレプリカ物、第一弾。
 
注射器で慎重に抜き取られたサンプルは、”オレンジの小片に微かなレモンの風味。底流に真新しい辺材(心材を囲む, 樹液に富む白色の材部。白太(しらた)とも言う)のキャラクター”を示し、現在のマッカランに通底するものだったという。それは、フィノ・シェリー樽で熟成された”優れた”原酒に由来するものだという。
 
再現された”レブリカ”は、平均熟成年数18年以下(1樽分だけ26年物の樽で熟成)、フィノ・シェリー樽で熟成させた原酒を使用、オリジナルのボトルを再現。
 
ラベルの表記には、”スタイリッシュでシンプルな”ロデリック・ケンプの書体を忠実に再現している。ボトリング時のアルコール度数は、当時、イギリスで用いられていた尺度 ”British Sykes”に準拠、かつ、1900年代初頭にマッカラン蒸溜所にて採用されていた45%と決定された。
 
Nose:
 
Smokier than I remember. Quick, soft with a hint of smoke, then juicy wood.
 
Palate:
 
Citrus, toffee. Nutty. Toasty. Smoky.
 
Finish:
 
Mesquite.
 
Comments:
 
A deft re-creation. This version is notably estery.
 
Whisky Magazine (December 2000) Michael Jackson
 
The Macallan Distillers Ltd、イギリス
 
 
 
マッカラン1861レプリカ(42.7度、700ml) Macallan 1861 Replica
 
19世紀中期、クレイゲラヒーに創業した食料雑貨商の店主ジョン・マクウィリアムが自ら瓶詰めして販売したボトルを、マッカラン蒸溜所の”ウィスキー・メイカー”ボブ・ダルガーノが、当時のボトルと香味を再現した生産量限定品。1,7400本限定。
 
2001年、秋のリリース。マッカラン蒸溜所が1998年に手に入れたボトルの再現版で、レプリカ物の第2弾だ。
 
20世紀初頭まで店舗を構えたジョン・マクウィリアムの食料品雑貨商では、紅茶やコーヒー、ワインやスピリッツを商っていたが、マッカラン蒸溜所から買い付けたモルトウィスキーを独自にボトリングしてリリースしていた。現在知られているのは1856年~1898年のヴィンテージを付けたボトルだ。そのうち、古のマッカランを彷彿とさせる1861年のボトルが、香味を再現すべきものとして選ばれた。
 
発売当時の手吹きのボトルは、西ヨークシャー、ノッティングリーのガラス製造業者ステルツル・フラコナージ社、ネイル・ロブソン氏の指導の元、1860年代当時のボトルを再現。ラベルのカリグラフィーはキャロル・ケンプが再現し、イラストは、ブライアン・テイラーが、トーマス・テルフォードの描いた”クレイゲラヒー橋(1812~1815)”のスケッチを再現している。ラベルに至っては、色調やテクスチャ
 までを丹念に再現した拘りようだ。
 
Nose: Citrus, dried fruits with spice, lightly floral and some toffe. Hints of wood smoke, apple, light oil, and ,alt.
        
Taste: Spice, light lemon+citrus, resinous, lightly smoked oak, with hints of toffee.
         
Aftertaste: Lingering, spice, slightly sweet, subtle smoked wood, malty.
 
The Macallan Distillers Ltd、イギリス
 
 
 
マッカラン1841レプリカ(41.7度、700ml) Macallan 1841 Replica
 
マッカラン蒸溜所オフィシャルのレプリカ物、2002年秋にリリースされた第3段だ。
 
オリジナルボトルの香味をウィスキー・メイカー、ボブ・ダルガーノが忠実に再現。ヴィクトリア調初期の手吹きのボトルは、西ヨークシャー州、ノッティングリーのガラス製造業ステルツル・フラコナージ社ネイル・ロブソン氏の指導の元、当時のボトルを再現。当時の”ハンドレタリング”な様式のラベルと共にリリースされた。
 
1848年~1851年 、Priest & Davidsonの所有となった、マッカラン蒸溜所の至宝がここに再現されたことになる(1847年に蒸溜所を買収した彼らは、ロセス出身の貿易商で、服地や日用品を扱って成功した人物。蒸溜所の経営を離れた後は、宿屋の主人として余生を過ごした)。当時は6~10年熟成の原酒をヴァッティングしてリリースしていた様である。
 
マッカラン蒸溜所は、1824年、アレクザンダー・レイドによって創業された。彼はシェフィールド伯爵の領地”イースター・エルシー”周辺を借用、耕作に励んだ。
 
1841年、55歳に達した彼は、妻と2人の子供の4人暮らし、夏から冬の蒸溜所の操業期には7人の従業員を雇っていた。当時、年産6500ガロンのウィスキーを生産。当時の蒸溜所としては中規模の生産量。その頃は、ストーンフラゴン製かジャーの瓶(容量2~8ガロン)に、1845年のガラス瓶への課税の廃止以降はガラス瓶に詰めて市販された”マッカラン”だが、1841年ヴィンテージのボトルは、1850年代にボトリングされた、現存する中でも最古の部類に入る、ボトルの一つとなっている。
 
手吹きのボトルの故に、左右が非対称で撓(たわ)んだシルエットで(鉄由来の)濃緑~茶の色調を呈している。
 
Colour:
 
Pale Gold.
 
Nose:
 
Sweet citrus fruits with light phenols. Light wood spices (ginger) and vanilla, with a hint of nuttiness.
 
Palate:
 
Wood spice to the fore with citrus fruits and peat smoke, sweet.
 
Finish:
 
Phenolic, fruity, sweet and long.
 
The Macallan Distillers Ltd、イギリス
 
 
 
マッカラン1876レプリカ(40.6度、700ml) Macallan 1876 Replica
 
マッカラン蒸溜所オフィシャルのレプリカ物、2002年9月15日にリリースされた第4段。オリジナルボトルの香味を、ウィスキー・メイカー、ボブ・ダルガーノが忠実に再現。
 
1868年~1892年 、James Stuart の所有となったマッカラン蒸溜所の至宝がここに再現されたことになる。
 
It is unlikely that James Stuart, the owner of The Macallan Distillery between 1868 and 1892 was much bothered with such matters. He was a self-made man – the son of a shoemaker – and had been a corn-merchant and miller before he became a distiller.
 
He laid the foundations that would transform The Macallan from "an old fashioned establishment" into a "highly respected enterprise".
 
Nose:
 
Rich in summer fruits, both fresh/citric and dried, with traces of spice. Light vanilla fudge, sweet oak and wood spice.
 
Taste:
 
Citric notes, spice and peat, which fades rapidly with the addition of water.
 
The Macallan Distillers Ltd、イギリス
 
 
 
マッカラン・マルサラ・フィニシュ1990年(46度、700ml) Macallan Marsala Finish
 
マッカラン・マルサラ・フィニシュ1990年は、ロッシ&ロッシ社「ウィルソン&モーガン、バレル・セレクション」シリーズ中の意欲作。1990年蒸溜。2002年瓶詰の12年物だが、イタリア、シチリア島特産のフォーティファイド(酒精強化)ワインである『マルサラ』酒を仕込んだ樽で、フィニッシュ(仕上げの熟成)をさせている点が何とも'ニーク。ウッドフィニッシュ物の試みに一石を投じる一品である。
 
香り:フレッシュなピート。キルンの香り。これらのアロマはすぐに消える。レモンのようで、麦芽のような特徴が出てくる。
味 :すべるようにスムース。甘く、リッチな麦芽っぱさ。シトラス系で、エステリーなリキュールのようなフレーバーがだんだん強くなる。
後味:この時になってはじめて、かすかにキャラメルのようなフレーバーがワインの樽からきたのではないかと思った。シェリー?マデラ?ブラインドでなくなったときに、マルサラであることがわかった。
 
追記:同時に、ロングモーン・マルサラ・フィニシュ1990年をリリース。
 
■マルサラ(Marsala)
 
イタリアのシチリア島でつくられている、発酵後にブランデーを添加した酒精強化ワイン。マルサラとは、アラビア語で”神の港”という意味。1773年、イギリスの商人ジョン・ウッドハウスがシチーリアの港町マルサラで、輸出に耐えるようなマディラ・ワインをまねてつくったのが最初とされる。食前、食後酒の他に料理にも使われており、タイプは次の5つに分かれている。
 
マルサラ・フィーネ  :アルコール分18%、糖度5%、4カ月以上熟成させたもの。軽い甘口で最も一般的。
 
マルサラ・スペリオーレ:アルコール分18%、糖度10%、2年以上熟成させたもの。辛口が主だが、甘口もある。
 
マルサラ・スペリオーレ・リゼルヴァ:アルコール分18%、4年以上熟成させたもの。
 
マルサラ・ヴェルジネ :アルコール分18%、5年以上熟成させたもの。辛口。10年以上熟成させたものをソレラス・ストラヴェッキオと称し、それ以下のものをソレラスと区分する場合がある。
 
マルサラ・スペチャーレ:マルサラ・ワインに、アーモンドやストロベリー、バナナなどの香料を添加したもの。
 
また、シェリー同様のソレラ・システムで熟成させたものもつくられたものもある。
 
 
■ロッシ&ロッシ社「ウィルソン&モーガン」
 
ウィルソン&モーガンは、イタリア・トレヴィーソ(ヴェネツィア北の衛星都市でベネトン本社がある)に本社を置くロッシ&ロッシという、元々グルメショップを経営していた会社がスコットランドから輸入しているスコッチモルトの商標である。
 
ロッシ&ロッシは、過去、ゴードン&マクファイルやW・ケイデンヘッド等のモルトを輸入していたが、品質の低下を憂慮するにあたり、自らスコットランドのモルトのオープンマーケットで出来の良い樽を見つけてきては、エジンバラにあるシグナトリー社に瓶詰させ商品化。イタリア国内に輸入、独自ルートで北イタリアを中心に有名なグルメショップやミシュランの星付きレストラン等の顧客に直接卸している。
 
補足:近年「ラムネイション」銘柄でプレミアムなラムをリリース。モルト同様に銘酒揃いで、愛好家から好評を得ている。
 
Rossi & Rossi、イタリア
 
 
 
マッカラン1989年(59.6度、700ml) Macallan
 
クライスデール・ブランドのマッカラン蒸溜所、1989年蒸留1999年瓶詰めの10年物。
 
Distilled June 1989、 Bottled May 1999
From Sherry Butt No. 8836、 Bottle No. 185 of 300
 
クライスデール・ブランドは、モルトマスターの称号を持つジョン・ラモンド氏が特別に選んだ樽からボトリングされたオリジナル・スコッチ・ウィスキー社の製品。熟成5~10年の若い樽が中心で、他のボトラー(瓶詰め業者)と差別化を図っている。低温濾過(氷点下フィルタによる濾過)、加水、着色を一切行わない樽出しのモルト。クライスデールとは、グラスゴー近郊にかつて存在した蒸溜所名である。
 
Original Scotch Whisky Co.,Ltd.、イギリス
 
 
 
マッカラン1963年(51.8度、700ml) Macallan
 
マッカラン1963年は、ジェームズ・マッカーサー社ファインモルトセレクションの逸品で、'Millennium 2000' とラベルにある200本限定製造品。
 
1963年蒸留、1999年瓶詰の36年物で、カスクストレングス(樽出し強度)。
 
マッカラン蒸溜所の特徴は、熟成にシェリー樽しか使わないこと。1960年代当時はオロロソ、フィノ、クリーム、アモロソ、など数種類のシェリー樽が使われていた。
 
中でも特にフィノ・シェリー樽は数が少なく、今では貴重な逸品となっている。口当たりはフルーティで爽やか、フィノシェリー特有のドライでクリーミーな余韻が心地よい。
 
ジェームズ・マッカーサー社は、1982年にエジンバラで創業。閉鎖された蒸溜所の珍しいモルトを専門に取り扱う独立系瓶詰業者(インデペンデント・ボトラー)だ。
 
James MacArthur & Co.Ltd、イギリス
 

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