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ロイヤルロッホナガー 1981 25年 オフィシャル “ローズアイルモルティングス25周年記念” 60.0%

まさにマネドラ味で、ディアジオのスペシャルカスクらしい香味でした。

 

ロイヤルロッホナガー ROYAL LOCHNAGAR 1981(?)-2008 25yo OB "ROSEISLE MALTINGS 25TH ANNIVERSARY" 60.0%

香りは素朴だがパワフルで太い麦感を軸に、脇を固めるようにアプリコットジャムや梅ジャム、淡く土っぽさ、ドライナッツ、オーク、樽感は強くなくプレーンだがリッチ。
飲むと意外にトロリとした粘性あり、そこからスパイシーで芳醇に広がる、噛み締めるごとに滲み出てくるような麦の旨味、舌全体に染み込むようなテクスチャー、コクのある甘味、長く心地良い余韻。

【Very Good/Excellent】

ローズアイルモルティングスの25周年記念でボトリングされたロイヤルロッホナガー25年熟成です。
2008年のボトリングで25年表記なので、逆算すると1983年頃の蒸留ということになりますが、表ラベルに1981年のローズアイルモルティングスのファーストバッチのものが使われているような記載があります。
実際は27年くらいの蒸留なのを25周年に併せてそういう表記にしているのか、もしくは1981と1983頃の樽のヴァッティングなのか、その辺は不明です。

肝心の香味ですが、80年代ヴィンテージだろうが旨いものは旨いということをまざまざと見せつけられるモルトです。

わかりやすい熟成感や樽感のあるモルトではなくハイプルーフなので、やや玄人好みの酒かもしれませんが、プレーンで素朴な、そしてこなれて旨そうな麦感が軸になっており、その脇を固めるようにジャムっぽいフルーツ感やアーシーさやナッツ、ほどよいオーク感などが感じられます。

飲むとこのてのハイプルーフモルトにしては粘性を感じ、そこからスパイシーな口当たりに変化していきます。
噛み締めるごと湧き出して舌全体に染み込んでくるような旨みの濃い麦感が非常に突き抜けており、香り同様のジャム感など他の要素もあって味を深めているのですがそれを意識させないくらい麦感が良いです。

まさにディアジオのハイランドモルトの特別な樽という感じで、最近飲んだものだとマネドラのオードに近い香味だと思います。

なお、飲んで意外だった粘性は長い熟成期間と経年変化によって出てきたものと推察され、きっと脇を固めるフルーツ感は今後強まり麦感は揺るがないでしょうから、さらに飲み頃は先なのかもしれません。

今回は剛腕投手の初球ストレートを見送った時のように圧倒されてしまいましたが、じっくり付き合うともっと多彩な香味を拾えて、テイスティングノートにはうまく表現できないこの美味しさを理解できるかもしれません。

 

#ロイヤルロッホナガ― (ROYAL LOCHNAGAR)

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