モルト仲間でこのブログにもコメントを下さる大島さんから、ブラインドサンプルをいただきました。
今回もストイックにテイスティングさせていただきました。
(以下はブラインドでテイスティングした内容です。)
・大島さんブラインドサンプル
非常に好みの発香、少し妖艶さがある、甘酸っぱいプラムジャム、ドライアプリコット、梅、紅茶、蜂蜜、樹液、リッチで複雑、少しキャラメリゼしたナッツやクリーム、バニラ、少しオイル、ピートもある。
飲むとリッチで厚いボディ、樹液、蜂蜜の甘味とアプリコットジャムの甘酸っぱさ、太い酒質を感じる、麦の旨みも濃厚で噛むほどに旨い、少しオールド感を伴うピート、オイリーで陶酔感がある長い余韻。
【VG/E】
非常に好みのサンプル。
妖艶さがあり複雑でリッチ。麦の旨みに溢れており、樹液やジャムの甘酸っぱさがあり、オイルとピートの伴う余韻も素晴らしい。80年代詰めあたりのコンディションの良いものなんかでこういうものが多い気がするが、最近のものならぜひ欲しい。2000年以降のボトリングになるが、オールド&レアとかにありそうな妖艶さを感じたのも印象的だった。
この系統で旨いモルトといえば、60年代のオードや70年代グレンエルギンがまず浮かんだ。あとはバルヴェニー、そしてクライヌリッシュやハイランドパークあたりが浮かんできた。ずいぶん飲んでいないが、水橋のオードやサマローリのエルギン1971なんてこんな感じだった気もする。また、以前にgoblinさんから出されたブラインドサンプルのギリーもこんな感じだったが、他にこの系統のギリーは飲んだことが無い。。。
予想
1960年代半ば~70年代初め蒸留、20年程度の熟成、50~55%
・グレンエルギン
・グレンオード
・クライヌリッシュ
あとはバルヴェニーやハイランドパークを考えた。
以上のようなテイスティングと予想で回答メールをお送りしました。
正解は・・・、
グレングラント GLENGRANT 1972-2012 39yo TWA with Shinanoya ~NAGOMI~ 54%
one of 113 bottles
信濃屋さんがウイスキーエージェンシーとジョイントでボトリングしたグレングラント1972でした。中身は自由が丘スペイサイドウェイさんの記念ボトルと同一のもののようですね。
美味しかったこともあり、かなり丁寧にテイスティングしたのですが、ヴィンテージと度数くらいしか的を得ておらず、全然違いましたね。(笑)
古めのボトリングで状態の良いものという印象を終始持っていたのですが、少し感じたオールド感に引っ張られたのかもしれません。好みの(もしくは苦手の)フレーバーを過大評価して予想してしまうという悪いクセがまたでてしまったようです。。。
これは本当に意識して直さないといけませんね。
さて、これまで飲んだドイツ系ボトラーの1972グラントは、確かにとても美味しいものが多かったです。傾向としては、しっかりとした熟成感がでており、わりと華やかで濃厚なフルーティがメインの印象でした。
そこで今回のボトルですが、フルーツだけでなく、麦の旨みや後半にわりとしっかり感じたピート、厚めのボディ、妖艶さ、そして甘酸っぱさを伴う味わいなど、ちょっとこのスペックのグラントのイメージになかった自分の大好きな要素が充実しているように感じました。
72グラントには共通のフレーバーが多いと感じていましたし、しばらく飲んでいなかったので、もしかすると他のボトルも今飲みなおしたら同様の魅力を感じるのかもしれません。
機会があれば近々飲んでみようと思います。
今回のグラント1972のように、同じスペックのものをいくつも飲んで印象が定着しているものの場合、同様の要素ばかりを無意識に拾いに行ってしままう傾向があり、なんとなく惰性の入ったテイスティングになりがちな気がします。
今回はブラインドだったからこそ、より好ましい成分をたくさん拾えて堪能できた気がします。
予想は全然でしたが、満足度の高いボトルを堪能させていただきました。
大島さん、ありがとうございました。
#グレングラント (GLENGRANT) #SBT