サントリーらしくない野暮ったさですが、旨いジャパニーズです。
白州 HAKUSHU ”木桶仕込” 1981 43%
・香り:
熟したオレンジ、ワックス、木材や鉛筆の削りかすのようなウッディネス、トーストの麦感、松ヤニ、針葉樹林、わりとしっかりとダシ、草っぽいピート感、スタンダードの白州と比べて重く華やかさがない。
・味わい:
やわらかい口当たりから徐々にスパイシーな刺激、香りと共通点の多い風味が強く鼻に抜ける、オレンジ、木材、松ヤニ、針葉樹、ダシ、後半からしっかりスモーク中心のピート、オイル、やや粘性があり蜂蜜様だが強くはない甘味、引き締めるようなエグ味を伴う植物感。
ミディアムボディ。
・余韻:
わりとスパイシーでタールっぽさもあるピートの余韻。松ヤニっぽいオイリーさも長く残る。
・加水:
多めに加水すると松ヤニやワックスが強くなりバランスを崩す。
・総評:
白州らしい針葉樹のようなニュアンスは現行品と比べてかなり強めで、ピートもしっかり。また、松ヤニやオイルが強く重い味わい。
やや無骨で野暮ったいが旨味の濃いボトルでもある。
【Good/Very Good】
白州の表記はありませんが、サントリーのピュアモルトで木桶発酵・直火蒸溜(箱に記載)とくれば、白州で間違いないと思われます。
1981の白州が今出てきたらなかなかの高額で売り出されそうですが、何年か前まで近所の酒屋さんで5000円くらいで長いあいだ売られていたボトルでした。
味はというと上記のとおり、白州らしい針葉樹やピートといったニュアンスがかなりしっかり感じられます。
スタンダードの12年や18年ではそれらは裏打ちする成分で、華やかで軽やかなフルーツ感や心地良い樽感が前面にでている印象ですが、このボトルではらしさが前面に出過ぎて正直重たいです。
全体としてのまとまりには乏しく、複数樽をヴァッティングしたサントリーのオフィシャルとしてはかなりバランスの悪いほうに分類されると思います。
いつ飲んでも美味しいタイプではないですが、個人的には結構好きなボトルで、この飲み応えのある無骨な味わいは、飲みたいときに飲めばとても美味しくいただけると思います。
#白州 (HAKUSHU)