旨さもさることながら、思い出が染み込んでくるような1杯でした。
クライヌリッシュ CLYNELISH 1972-2005 32yo GLEN MASTER #14354 53.5%
濃い蜂蜜、蜜蝋、ワックス、熟したアプリコットやオレンジ、粘性の高いヌルッとした舌触りとねっとりした濃い甘味、樹液、アプリコットティー、かすかなピート、厚めのボディ、不思議と感じる旨味成分、長く心地良い余韻。
【Very Good/Excellent】
そのうち改めてしっかりしたテイスティングコメントを載せようと思いますが、私がモルトにいよいよどハマリした頃、ものすごくクライヌリッシュを好きになるきっかけになったエィコーンのボトル(下の画像)があり、このGLEN MASTERはそのボトルとの同じ樽をシェアしたものだったと記憶しています。もう7年前なんですね。
(ちなみに同時にリリースされたグレンリベット1970もシェアでしたが、この2つ以外のGLEN MASTERは見たことがありません。)
このボトル、自分の中では、これぞ1972クライヌリッシュという味わいです。
数年前まではちょこちょこ出てきた1972ヴィンテージですが、最近はちっとも出てこなくなりました。最後だったと記憶しているエクスチェンジのクライヌリッシュ1972も同様のらしさのある味わいでしたが、カスクストレングスなのにかなりボディが弱っており、今回飲んだボトルのようなボディもある文句の無いものは、もう出てこないのかもしれません。
よく出てくるクライヌリッシュの若いヴィンテージのものにも、共通のヌルッとした粘性のある美味しいボトルが多くCPには優れますが、やはり濃厚さや複雑さ、熟成感や陶酔感が違います。
ただ、BBRやMoSあたりからでてきた1982には近いニュアンスがあり非常に美味しいものがありました。今後はそちらに期待でしょうか。
余談ですが、共通の味わいを感じることの多い1972クライヌリッシュの中で、不思議なことに私はGMのケルティックラベルのものにはこの独特のニュアンスをあまり感じられません。この味わいは原酒そのものと、掃除をしないという噂のスピリットレシーバーからくるものだと思っていましたが、熟成環境の影響もあるということでしょうかね。
今回の1杯は、とにかく懐かしい味わいでした。
普段の生活の中で、懐かしい香りに出会うと、その頃の感覚がふわっと湧き上がってくることってありませんか?
今回のクライヌリッシュは、それに近い懐かしい感覚を呼び起こしてくれました。
あの頃は、今ほどモルトの金銭感覚がマヒしてなかったなぁ。(笑)
↓シェアだったと記憶しているエィコーンのクライヌリッシュ1972
#クライヌリッシュ (CLYNELISH)